仙台のどんどこプロジェクト

「カバン職人を知ろう」

 第2回は、地元で代々カバンの製造販売の店を営んでいる菅井光男さん夫妻においでいただき「カバン職人を知ろう」を開催しました。

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 まずは、まなびのたねネットワークにより、菅井さんがなぜカバン職人になったのかについて、生い立ち、第二次世界大戦とのこと、家族や家業のことについて、ヒアリング形式で聞き出して行きます。
 戦争で兄が戦死し、本当は機関車のボイラーマンになりたかったが、家業を継ぐことになったこと。寡黙な職人だった父親は、親子でも何も教えてくれなかったこと。今は使われなくなったが車掌さんの使う切符やお金を入れておくカバンが主力商品だったこと。6年間使ったランドセルを使って小さなランドセルへのリメークに取り組んでいること。職人歴60年の重みのある話しが次から次へと出てきます。

 


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 今日は、話しを聞くだけではなく、実際にカバンづくりのさわりの部分(仕上げの部分)を子どもたちにも体験してもらうことにしています。巾着式の小銭入れの仕上げをしてみます。
 菅井さんご夫婦から、まずは道具の使い方や未加工の皮からカバンのパーツを型どりしていく工程、ミシン掛けの工程、金具付けの工程などの説明がありました。

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 そして、小銭入れの仕上げの工程として、穴あけポンチで皮に穴を開け、ヒモ通しを行い巾着にしていく恋うての説明がありました。穴あけポンチは簡単な作業ですが、たたき方、台からの抜き方と職人の知恵がこもっています。

 


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 この作業に子どもたちが挑戦です。テーブルの上でたたく子、床の上でたたく子、自分の作業しやすい体制で取り組み始めました。全部で16この穴を開け、ヒモを通し結んで行きます。最近の子は、ヒモ結びが出来ない子もいるんですね。

 


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 ヒモ通しが終わると、菅井さんの製品チェックを受けに行きます。OKがでたり、菅井さんの手直しが入ったり、ちょっとした手直し、アドバイスが参考になります。


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 一通りの作業が終わり、振り返りです。子どもたちからの参加しての感想を聞きました。なかなか穴が空かなくて大変だった。手をたたきそうになった。
 学区内のとある街角にある工場兼の店先で、毎日カバンづくりに取り組んでいるおじいさんが、みんな気になっていたようです。
 まなびにたねネットワークのスタッフが、カバン職人になって何か良いことはありましたかと聞きました。

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 「あぁ、何もなかったね」との答え。職人歴60年の寡黙なカバン職人は、言葉ではなく、その姿で、子どもたちに働くことの意味を伝えているかのようでした。

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