NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2014

戸塚児童センター あすぱる

埼玉県川口市

あすぱる たけのこプロジェクト ~障害者支援 共に育つ~

タイトル あすぱる たけのこプロジェクト ~障害者支援 共に育つ~
協力NPO

NPO すてっぷ

その他協力者・関係者
  • 川口市立戸塚児童センターぱるぱるの会
  • 埼玉大学STEM教育センター 野村泰朗先生と大学生
  • 自然観察員 
  • シンガーソングライター 三浦鯉登(みうらりと)氏
  • 人形劇団 がちょうの子
  • NPOピース青空教室
  • お話ボランティア
開催日時 7月25日・8月22日・9月27日・10月18日
11月9日・12月20日・1月10日・2月14日
開催場所 戸塚児童センター多目的室・戸塚南小学校屋上ファーム等
目的
  • 児童館に来館する子ども達が、障がいのある子達と共に遊びや活動を通して障がいを理解する意識を育み、たくさんの人と関わりながら“共育”(共に育つ)を目指す。
  • NPOすてっぷさんと協働し、障がいのある子と障がいのある子を持つ親への支えとなるよりよい支援の輪を広げる。
  • 地域のボランティアさんに協力を求め色々な人と関わりながら活動し、活動の中から体験する楽しさや充実感を「生きる力」に結び付ける。
概要
  • あすぱるボランティアぱるぱるの会の地域ボランティアさんにエコ工作・書道・3B体操・お話し をお願いする。
    ・ エコ工作:身近な自然材料を使い手作りのおもちゃや楽器を製作
    ・ 書道:墨の色とにおいを確かめながら筆をすべらせ、字を描く楽しさを体験
    ・ 3B体操:Bのつく用具3個を使いリズムに合わせて身体を動かし爽快感を味わう
    ・ お話し:読んでもらうお話しのわき上がる楽しさと奥深さを知る
  • 埼玉大学STEM教育研究センター 野村先生
    “ロボットと未来”をコンセプトに、小さなブロックを使ってコンピューターをプログラミングし動く物を作る体験から、言葉のやり取りや会話を通してコミュニケーションを高める取り組みをする。
  • 音楽会
    障害のある子も楽しめる音楽会を行い、生の楽器からわき上がる音とリズム感を体感し楽しむ
  • 観劇会
    手作り人形劇のぬくもりと心温まるお話の情緒を実感する

レポート

第1回 竹とんぼ(7月25日)

当日の様子

●プロジェクト開始にあたり、プロジェクト協力者の方々と「すてっぷ」さんから障害についてと関わり方のレクチャーを受け、プロジェクトの開催に臨みました。障害を持つお子さんや保護者の皆さんへの対応では、子どもたちの不安を与えないようなプログラムの立て方や、お知らせの仕方など具体的な方法をレクチャーして頂き、スタッフも学ぶ事ができました。
●刃物を使わない竹とんぼ作りでは、ライターの火で竹を温め柔らかくしてから手で曲げて角度をつけます。曲げる際には竹とんぼクラブのおじさんたちや、サポートのボランティアさんに手を支えてもらいながら自分の竹とんぼを作る事が出来ました。完成した竹とんぼを飛ばす所では、初めて作った竹とんぼを初めて飛ばしてみる体験をした子ども達、周りの人に支えてもらいながら目をキラキラさせて飛ばす姿を見る事ができました。

子どもたちの声 「竹が曲がる事がびっくりした。竹とんぼが飛ぶ所はふんわりして楽しかった。」
よかったこと ・障害についてや障害を持つお子さんと保護者の方達との関わり方を改めて確認することが出来ました。
・プロジェクト実施にサポートをしてもらう事が出来ました。
児童館担当者の感想 児童厚生員研修会等で障害について学ぶ事はありましたが、実際に関わる場合のこちらの“気がつかない部分”を知ることが出来て良かったと思います。
協力NPOの感想 関わり方を理解してこれからに生かしてもらえる事にやりがいがあります。
その他協力者の感想 「〇〇ちゃん(児童デイ参加者)は熱心でしたね。目の輝きがありましたね。良い会になりました」

第2回 クッキング ピザを作りましょう(8月22日)

当日の様子

・大きな紙に調理の手順や、グループごとに座る人の名前を表示することでスムーズな環境設定をしたり、名札を付け自己紹介をしてもらうことで交流を深めるきっかけ作りができました。

・小麦粉と水を手で捏ねるところから行ないました。途中うまくまとまらずに手に小麦粉がまとわりついて嫌になったお子さんもいましたが、手を洗ってきれいにすると包丁で野菜を切ったり、包丁が難しいお子さんには皮をむいたり和え物をする役割などで参加できていました。

子どもたちの声

「野菜を切ることが楽しかった」「生地をまとめるところが難しかった」

「美味しかった」「また遊びに来たいです」

よかったこと

・その子の興味やできる作業に沿って飽きて部屋を出て行く子もなく、参加して下さった大人のみなさんの協力を得て終了することができました。

・初めて会う他のデイサービスのお子さん同士が同じテーブルにつき和やかに食べる様子から、垣根を取り払って打ち解ける“子ども力”を感じられました。

・知らない人の前でも自己紹介ができたことで、ひとまわり大きく見えました。

・所属は違っても、子どもたちの成長を見届ける職員の気持ちは皆同じなのだと感じた。
児童館担当者の感想 ピザ作りの内容自体は、児童館の行事で行っているものですが、障がいのあるお子さんに対しての取り組み方をすてっぷ隅田さんにサポートしてもらえたことでスムーズな進行ができました。
協力NPOの感想 「良い体験をさせてもらえました。やり方がわかったので自分のところでも次回やってみたい。」「子どもたちが自分で作ったものを食べることができて嬉しいです」
その他協力者の感想

今日も良い会でした。やりがいがあります。

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第3回 自然観察会バッタ選手権(9月27日)

当日の様子

・地域の人達と広く交流を持つことも目的に南小あすぱるエコクラブと共催で行いました。回を重ねるごとにお父さんたちの参加も増え大人たちの関心の度合いも上がっているようです。下台公園斜面林付近は戸塚地区でも有数の自然の宝庫。

将来の地域の環境に関心を持ち環境維持に取り組んでいけるような人材の育成にも一役を担っていると思われます。

・自然観察員の横山さんを隊長に、バッタ捕獲隊を結成。過去のデータから「選手であるバッタを大切にすると良い結果を得られやすい」という隊長の話を聞きくと、選手のコンディション作りに取り組んでいました。上位3名と特別賞のオオカマキリが表彰されました。

・準絶滅危惧種の“ハネナガイナゴ”や普段観察することのできないイナゴの幼体を目にすることができ、うれしい発見もありました

子どもたちの声 ・優勝した幼児男児からは大勢の人の前で緊張しながらも「優勝できてうれしかった」と感想がありました
よかったこと

今回は予定していたすてっぷさんとの協働ができなかったが、今後に活かせることも多く得られたので実行していきたい。

児童館担当者の感想 自分の思いを背負ってくれるバッタを捕まえ、コンディション作りを心がけることは、人と人との関わりにもつながることだと実感した。“大切”を将来を担う子どもたちにきちんと伝えることが大人の役割だと思いました。
協力NPOの感想 今回は参加できずにすみません。
その他協力者の感想 バッタを優しく扱うことで、自然となかよくなるという目的に近づいたと感じる大会になったと思います

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第4回 ロボットと友達になろう(10月18日)

当日の様子 「災害時にも役に立つレスキューロボを作ろう」を目標に、プラスチックボードや、あらかじめプログラミングされたボード・モーターで動くロボット作りを行いました。初めに最近の諸外国でのロボット開発の映像をみて進歩の様子を知る事が出来ました。低学年の多い参加でしたが、みな集中して作業に取り掛かる様子が見られました。難しい所や分からない所、実際に走らせ微調整が必要だったりと問題が生じますが、失敗を繰り返して解決しみな完成させる事が出来ていました。自分で作ったロボットががれきに見立てたプラスチックボードの切れ端やジェンガなどを乗り越えて進むのをみると歓声があがり、嬉しさ・楽しさと驚きで盛り上がりました。
子どもたちの声

「ボードを切る時硬くて難しかったけど、自分で作る事が出来た。障害物を乗り越えていく所はすごかった」

「ボード1枚だったのに組み立ててモーターが動き車輪が動いた時はビックリした」

「次は車輪を水車のように水の中でも動く物を作ってみたい」
よかったこと 今回参加申し込みのあった障害を持つお子さん2名が当日になって欠席になりましたが、このプロジェクトが始まり放課後デイサービスのお子さんの利用が増えてきている。今後も広報活動を行っていきたい。
児童館担当者の感想 プログラムされたボードやモーターなどの用意ができると、児童館でも動かせる物作りが出来て良い体験になった。障害のある子が参加できるよう次回の開催に繋げたい。
協力NPOの感想 どのようにして作っていくのかを見る事が出来て勉強になった。(障害のある)子どもたちの顔を思い浮かべながらどう行っていくかのシミュレーションが出来ました。
その他協力者の感想 「回を重ねるごとに改良しながら行ってきたが、これまでで一番良い会になりました。障害のある子でも難なく参加し楽しめるプログラムを考えているので是非次回も行いたいです」

第5回 おいもほりと交流会(11月9日)

当日の様子

・当日は朝から天候が回復せず、時折雨も降っていたことから、欠席の連絡も多かった。直前までさつまいも畑から採ってきて観察のみにしようと予定していたところ、丁度雨があがりおいもほりを行う事が出来ました。長くつ、軍手、ショベルなどで準備してきてもらいおいもほりを開始。おいもの赤紫が見えてくるとみな土を掘ることに集中し傷つけないよう丁寧に土を除いていました。株によってはなっているおいもが少ない株もあり、「どうしてとれないんだ~」という小さい子には大きい子が「ここ掘ってみたら」と声をかけて、小さい子に譲る気持ちの交流も見られました。

・交流会では簡単なさつまいもを使ったおやつ3種の紹介と試食をしながら、自己紹介を行いました。「僕一番にします」と積極的に手があがる姿が見られ、小学生への自主性向上に繋がりました。おやつ紹介では茹でたおいもとバニラアイスで作るスィートポテト作りを紹介しました。参加したお父さんお母さんにも知ってもらう事ができ「家で作ってみます」と親子でのふれあいにも繋がりました。

幼児1人・小学生3人・中学生1人・大人3人・ボランティア3人
子どもたちの声

「土を掘ったらおいもが見えてきてうれしかった」

「おおきいおいもがほれてうれしかった」

「おいもとアイスを混ぜるのにはびっくりした。今度は家で作ってみたい」

「土をたくさんほれてたのしかった」

「おいものおやつはぜんぶおいしかった」
よかったこと 土に触れ自然の営みを知る機会になりました。収穫に際してはこれまでたくさんの人が関わっていた事をお話しし、長い時間を経て今日がある事を紹介出来ました。障害のある子にも理解しやすい内容の提示の仕方を教えてもらえました。
児童館担当者の感想 雨が降り一旦はあきらめていたおいもほりをする事が出来ました。きっと参加者の気持ちが天に通じたんだと思います。土に触れ収穫の喜び、食べる楽しさとおいしさを体験してもらう事が出来て良かったです。また次回に繋げていきたいです。
協力NPOの感想 おいもほりをする事で土にさわる事が出来て良かった。苗の植え付けから収穫までの過程を知り、自然の恵みに感謝する気持ちが持てたと思う。
その他協力者の感想 「今日もお手伝いする事が出来て良かった。みんなに喜んでもらう事が出来てやりがいがあります」

第6回 朗読とバイオリンコンサート(12月20日)

当日の様子

始まりに際し、参加者の皆さんに周知してもらうようすてっぷ隅田さんよりこのプロジェクトの児童館での取り組みを紹介してもらい、「障がいのある子もない子も児童館を利用して楽しく遊び、地域の方と交流を深めて、こうした公共施設がごく当たり前に利用できるようになるといいですね」と言葉を添えてもらいました。バイオリンの演奏とお話し「ビロードのうさぎ」の朗読をしてもらいました。お話しが進むにつれ皆引き込まれていく様子が分かります。お話しの世界に引き込まれクリスマスソングやバイオリンの音色と共にひとときを過ごせたようです。リクエストコーナーではきよしこのよるとさんぽを合唱して障がいのある子もない子も大人も子どもも共に同じ空間をすごしお開きになりました。

幼児18人・小学生17人・中学生1人・大人16人・ボランティア3人

4組の障がいのあるお子さんの参加がありました。
子どもたちの声

「本物のバイオリンが聞けて良かった」

「お話しが楽しかった」

よかったこと 参加者が幼児さんから大人までと幅広く、障害のないお子さんやママたちの参加も多かったなか、地域で“共に育つ”取り組みを隅田さんから紹介してもらった事であすぱるを利用している親子さんに広く理解してもらう事が出来たことが良かったと思います。また今回のコンサートをきっかけに初めて児童館を知ったという障害児の保護者の方もいらっしゃいました。障害のあるお子さんと保護者の来館に繋がると良いです。
児童館担当者の感想 バイオリンを見たことがないので本物を見せたいというお母さんの気持ちで参加して下さった障害を持つ小学女子と保護者の方がいました。音色を直に聞き心に響きをとどめてもらう事が出来て音楽に興味を持ち新たな生きる力にもらえたらうれしいです。
協力NPOの感想 コンサートは障害のある子(特に保護者)にとってはハードルの高い場であり、なかなか一般のコンサート二は行きがたいのが現状です。こうして地域の児童館で、子どもたちが多い中でのイベントなら、と参加した方もいたのでプロジェクトの意義を感じました。
その他協力者の感想 合奏は子ども同士のコミュニケーション力が高められます。音楽の正しい知識と楽しさを伝える活動が出来て良かったです。

第7回 お習字体験(1月10日)

当日の様子

放課後児童デイを利用するお子さん小学生から高校生まで20人が参加しました。当初の予定より大人数となり、使用する道具も足りなくなるほどだった為「凧に書く字を練習する人」「凧に飾りをする人」に分かれての作業にしました。初めてお習字をした人もいましたが周りの人に助けを借りながら書きあげたり、千代紙で凧を飾る事が出来ていました。

初めて会う人や体験する事がらに戸惑いながらも勢いよく筆を運ぶ様子から、新しいものに挑戦する意欲を感じました。最後は作品の発表と感想を言ってもらい自分の思いを発表することもでき、自信に繋がると良いと思います。
子どもたちの声

・「好きなミニカーのイメージで凧作りが出来た」

・「お習字は楽しかった。 好きな嵐の凧を作れた」

・「難しいことに挑戦できた」
よかったこと 今回は人数も多くスムーズな進行に不安でしたが、お習字教室の開催に経験のあるNPO法人すてっぷの隅田さんのフォローでスムーズな進行が出来ました。いつも学ぶ事があり新たな発見に気付かされています。
児童館担当者の感想 大勢の参加があり盛況に終わる事が出来ました。いろいろな体験から興味を引き出し、継続することで「生きる力」に繋がるとうれしいです。いよいよ次回で最後。思い出に残る開催になるよう取り組んで行きます。
協力NPOの感想 会場に入ってきた時は少し不安そうで心配そうな顔でしたが、筆で字を書いている間にだんだんとリラックスして楽しそうに変わってきたのがわかりました。自分の凧が仕上がると、さらに満足そうで嬉しそうな顔をしていました。協力してくださったぱるぱるの会のボランティアさんも、障害のあるお子さんと自然に接していて、この事業の意義を感じることができました。
その他協力者の感想 個々に書く字に味があり興味深いです。飾りもみな工夫している様子がうかがえ個性が感じられます。表現する気持ちを活かしてあげたいですね。

戸塚児童センター あすぱるについて

連絡先

住所 〒333-0811 埼玉県川口市戸塚南4-10-2 4F
電話番号 048-294-7550