日出町児童館
大分県日出町
心のバリアフリープロジェクト2 ~地域で共に生きる~
タイトル | 心のバリアフリープロジェクト2 ~地域で共に生きる~ |
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協力NPO |
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その他協力者・関係者 |
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開催日時 | 7月12日・8月24日・9月13〜14日・12月20日・1月24日 |
開催場所 | 日出保健福祉センター / 佐伯市本庄(水辺の楽校) |
目的 |
障がいのある人もない人も隔たりなく協力し合える地域社会目指す第1歩として、スマイルクラブ(リーダー育成)を中心に、児童館に来館する子どもたちの障がいに対する理解を深め、「障がい者」ではなく、「人」として関わることができるような子どもの意識を育てる。 |
概要 |
<福祉体験> <余暇支援交流> <防災キャンプ> <体験活動の振り返りと発表> |
レポート
7月12日「地域に住んでいる障がいをもつ人の日常を知ろう」
当日の様子 | 「障がいのある人へのサポート&嬉しい手助けって??」をテーマに、1日ヘルパー体験を行いました。 まず、視覚障がいのある方から目が見えないってどんなことなのか、日常生活の嬉しいことなどについてお話を伺いました。その後は、視覚障がいのある方との買い物サポート班と車いす生活を送る人のサポート班に分かれて、それぞれのヘルパー体験を行いました。 視覚障がいのある方との買い物サポート班は、プロのサポートさんに教わりながらガイドの基本動作を学びました。歩き出す時の声掛けや立ち位置などを確認し、実際にサポートしました。ガイド方法を学んだあとは、目的地までサポートしながら買い物に出発しました。お店では、障がいをもつ人が欲しいものを一緒に探しました。「色」や「大きさ」、「形」など目に入る情報を伝えます。その後、お札の見分け方について、ディスカッションしながら子どもたちは勉強しました。いろいろな見分け方があることに驚いた様子でした。また、携帯のアプリでの見分け方についても興味津々でした。帰りは杖の使い方として、縦にたたく方法と横に撫でる方法杖を聞いた後、白杖体験も行いました。 車椅子生活を送る方のサポート班は「あっとほぅむぷれいす」さんにご協力いただき、ご自宅にて洗濯物チーム、ベッドメイキングチーム、キッチンチームに分かれてヘルパーのお仕事体験をしました。ヘルパーとしての心構えを学んだあと、ベランダに洗濯物を干したり、ベッドのシーツを交換したり(三角折りに挑戦しました)、食器を洗ったり、お茶を入れたり、掃除をしたりしました。その後、介助報告の記録(介助サービス内容など)をして、終了しました。 最後に、障がいのある人の運転する車について説明を受けました。運転補助装置をはじめてみた子どもたちは熱「すごいなあ」と熱心に話を聞いていました。 児童館ではなく、お店など地域で活動することで、地域の方々の目に触れる機会となりました。タクシーの運転手の方など、活動に興味をもって声をかけてくる方もいました。今後も子ども達の活動を地域のたくさんの方に知ってもらいたいなと感じました。 |
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8月20日「障がいを知ろう!一緒にあそぼう!」学習会
当日の様子 | 障がいのこと、野外活動で交流する子ども達のこと、川遊びに潜む危険なこと、川遊びでできるサポートについて学習しました。 題材が「アナと雪の女王」ということで子ども達も興味をもって学ぶことができました。また、子どもたちの障がいに対するイメージ、考え方を改めて確認することができました。 ・障がいのある人ってどんな人 ・障がいのある人は日本にどれくらいいる ・みんなが不便と感じる壁について ・目の見えない人がジョイフルへ行ったとき、障がいがあると不便なことは ・固定観念について ・「アナと雪の女王」に出された「問題」について ・川遊びの危険 ・障がいのある子どもにどのようなお手伝いができるだろう |
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8月24日「障がいを知ろう!一緒に遊ぼう!」野外活動
当日の様子 | 8月20日に学習したことを踏まえ、「えいぶるねっと」さんと川遊びを行いました。「Top Waters Club」さんの指導の下、佐伯市水辺の楽校で、川流れ体験、カヌー体験、ボート体験を行いました。 顔合わせ式を終えた後、安全のための注意事項を聞き、ライフジャケットがきちんと装着できているか確認し、班ごとに川流れを体験しました。みんなで手をつなぎ、足を伸ばして浮かび円になりました。 その後は、カヌーに乗ったり、魚を捕まえたり、泳いだりと楽しみました。障がいの有無にかかわらず、一緒に手をつないだり、遊ぼうと声をかけたりする姿を見ることができました。 BBQでは、班がバラバラになってしまいましたが、一緒に焼きマシュマロを体験したり、じゃんけんで遊んだりと自然に接する姿を見ることができました。 まだまだ泳ぎ足りない様子でしたが、子ども達の楽しかったという声や保護者の方からも「普段できない体験をさせてもらった。家で楽しかった子どもが話してくれた」という声が聞かれました。 |
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9月13日~14日「防災合宿体験」
当日の様子 | 1泊2日の防災合宿体験を行いました。合宿では、スマイルクラブがリーダーとして会議を行うといった子どもが主体的に活動することを大切にしました。 施設内探検では、避難経路・消防施設・非常口の確認、建物の状況・防災倉庫等を実際に車椅子に乗って探検したり、実施に車椅子に乗っている方・視覚障がいのある方を誘導しながら探検したりしました。その後、班ごとに分かれ、みんなで役割を分担しながら段ボールで簡易トイレ・寝床づくりを行いました。また、防災倉庫に保管してある非常用の簡易トイレやテントも組み立てました。 夕食作りでは、ビニール袋を使ってご飯を炊きました。また、高齢者の方などいろいろな方に配慮して、ちゃんぽん、パスタ、ぜんざい等を作りました。野菜などは地域の方からいただきました。それぞれ小さい子どもや障がいの有無に関係なく、自分にできることをみつけて調理しました。 お風呂には入らないので、コップ1杯でホットタオルを作り、タオルケットで羽織ものの作り方などを学んだあとは、防災クイズを行ったり、DVDを鑑賞したりしました。 午後9時30分には就寝の予定でしたが、なかなか寝ない子ども、段ボールだから寝たくても眠れない子どもとなど様々でした。周りに迷惑をかけないという姿勢について事前に話をすべきだったと思いました。 次の日は、午前6時に起床し、身支度を整え、朝食作りを行いました。朝食では、ペットボトルでのピザ作りに挑戦しました。また、じゃがりこのサラダも作りました。 コップ1杯での歯磨きの仕方を学んで、歯磨きを終えた後、日出町のハザードマップを使い、自分の生活地域について学びました。災害時自分はどこに避難したらよいのだろう、家族との合流場所、土石流などはどうかなどマイハザードマップ作りに挑戦しました。 最後に「レスキューサポート九州」さんと振り返りを行い、1人ずつ修了証書をもらって閉会となりました。 テレビのニュースでこの防災合宿が取り上げられました。また、地元の新聞社の方も来てくださいました。このような活動をしていることを知ってもらうとともに、地域でもこのような活動が広がっていくことが必要だと感じました。 |
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12月20日「お楽しみ会」
当日の様子 | 「別府溝部学園短期大学ハンドベル部」のみなさん、「発達障害児親の会つむぐ」の協力も得て、スマイルクラブがお楽しみ会を企画しました。今回は、障がいをもつお子さんのきょうだいの方にも参加してもらいました。 第1部は別府溝部学園短期大学ハンドベル部のみなさんによるハンドベルの演奏とワークショップを行いました。クリスマスソングの演奏を聴いた後、学生の方に教えていただきながら、みんなで実際にトーンチャイムや鈴、タンブリンなどを演奏してみました。障がいのある子どももない子どもも一緒に音楽を楽しむ時間となりました。 第2部はスマイルクラブによる出し物をしました。劇は、スマイルクラブオリジナルのもの、大型絵本の読み聞かせでは「はらぺこあおむし」を読みました。ビンゴゲームでは、スマイルクラブ司会のもと、みんなで盛り上がることが出来ました。 会食しながら、今回のどんどこプロジェクトのことや、「つむぐの会」のことを参加した方々にお知らせすることができました。お父さんの参加も多く、今後の発展が楽しみです。また、スマイルクラブがボランティアリーダーとして読み聞かせをぜひ行ってほしい、またこのような機会を作ってほしいという声がたくさん聞かれました。 |
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1月27日「まとめ」
当日の様子 | 今年度のどんどこプロジェクトまとめの活動を行いました。 自分たちの活動を新聞という形で模造紙にまとめ、感想を発表しあいました。 まとめた新聞は、日出町保健福祉センターと日出町中央公民館に掲示予定です。 |
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子どもたちの声・よかったこと
子どもたちの声 | ・目が不自由だったり、車椅子に乗っていたりして、困っている人がいたら、積極的に声をかけたいと思いました。 ・障がいをもっている人が自立して生活するために、24時間ヘルパーさんがいるということを知りました。 ・防災合宿で学んだことを日常生活で活かしていきたいです。 ・いろいろな障がいのある方と一緒に料理を作れて楽しかったです。 ・災害時には防災合宿のことを思い出して、動きたいです。 ・今後、中学生になっても困っている人の手助けをしたり、障がいのある方と触れ合ったりしていきたいです。 |
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よかったこと | ・スマイルクラブのメンバーが、ボランティアリーダーとして、福祉体験活動を行うことが定着してきました。 ・地域で活動することで、たくさんの地域の方の目に触れる機会となり、関心を持っていただいたことはよかったと思います。 ・講師の先生をお迎えして、障がいについて学習する時間を設けました。体験活動ばかりではなく、学習の時間も組み込むことで振り返りや、次への体験活動への意欲へつながったと感じます。 ・昨年度から参加している野外活動では、障がいのある子どもたちと手をつないだり、じゃんけんをしたりして遊ぶなど自分たち自身で考えて動く姿をみることができました。 ・今回もたくさんの方々に協力していただきました。児童館と地域との関係性が昨年度よりもさらに広がりました。 |
児童館・協力NPO・その他協力者の感想
児童館担当者 | ・今年度地域で活動したり、報道されたりするなどで、どんどこプロジェクトとして行っている福祉体験活動が、地域の方々の目に触れる機会となりました。 ・車いすで通る際、邪魔な荷物があれば自主的にどけたり、視覚障がいの方への誘導もすぐに引き受けたりするようになりました。「困り」を考え、必要な手助けが理解できてきていると感じます。 ・継続して活動を行っている子どもと初めて活動に参加した子どもとではあきらかに違いを感じました。継続の大切さを改めて感じました。 ・防災合宿では、「泊まる」ということに気持ちが高揚してしまっていたので、開会式で目標を発表したり、閉会式で感想を発表するなどの活動をいれたりするとよかったと思いました。 ・協働していただいたNPOの方々とまたそのNPOと関わる方々との関係性を築くことができました。今後もさらに輪が広がっていくことを期待したいです。 ・お楽しみ会にきょうだい児支援という形で取り組めたことがよかったです。 |
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協力NPO | 【えいぶる・ねっと】 ・日出町児童館の子ども達は、事前の学習があったためか、とてもよく、自然に障がい児と接していたと思います。ぜひ、来年もお願いしたいです。 【あっとほぅむぷれぃす】 ・昨年度の取り組みを継続し、さらに障がいについての理解、生活の様子、困りごとを子どもたちに知ってもらえたことは、とても意味の大きい物になったと思います。そして、こうした取り組みの積み重ねで障がいのある人もない人も共に考え、支え合う気持ち、関係性が生まれると思います。昨年度、今年度とどんどこプロジェクトで関わった子どもたちとチーム的なものを結成し、当事者と一緒になった活動をしていけたらと思います。 ・私は全盲ですが、スマイルクラブのみなさんに実際に介助してもらっての道案内は、こちらが思っていた以上に安心を感じさせてもらうことができました。 ・しっかりと防災体験の主旨を理解していました。 ・子どもたちが自ら進んで障がい当事のサポートをしてくれていました。 |
その他協力者 | ・こういう機会(野外活動)がもっと増えるとよい(えいぶる・ねっと参加者ご家族)。 ・障がい者や高齢者について、学び、考える機会はあっても、実際に「何かを一緒に」という機会はありません。学校では、1学年1クラスの学級で、気心が知れた仲間と過ごす毎日です。どんどこプロジェクトでは、障害のある方、高齢者の方など、多くの人と一緒に色々な活動を通して、交流することができました。子どもにとって、貴重な体験ができたと感じています。(スマイルクラブ保護者) ・日々に追われていて、生演奏をゆっくり聴ける機会がなかなか無い私達にとって、最高のお楽しみ会でした。お母さん達も子ども達も笑顔で過ごせ本当によかったです(発達障がい児の親と共に歩む会「つむぐ」代表)。 |
日出町児童館について
連絡先
住所 | 〒879-1502 大分県速見郡日出町藤原2277-1 |
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電話番号 | 0977-85-8820 |