NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2014

燕市児童研修館 こどもの森

新潟県燕市

森のだいどころ「もぐもぐ」

タイトル 森のだいどころ「もぐもぐ」
協力NPO
  • 新潟NPO協会
  • 園芸福祉にいがた
その他協力者・関係者
  • はっぴーザウルス
  • 食生活改善推進委員会
  • 自治会長
  • まちづくり協議会
開催日時 7月初旬・8月29日・9月7日・11月
開催場所 こどもの森 館庭・研修室
目的
  • 専門知識を持った方や、地域の方の力を借りながら、畑作りをし、自らの手で作物を育て収穫する喜びを味わう。
  • 職員の専門性を生かしたり、ボランティアの活躍する場を設け、子どもとその保護者に対し、食育指導を行う。
  • 地域の中の児童館として、小さな子供のいない世代にも広く活動を知ってもらい、見守り体制を確保する。
概要

11月の収穫祭に向けて年間を通じ様々な食育活動を行う。

【畑作り】

  • NPOの指導の下、作物を植え付ける準備をする。
  • 学生、地域ボランティアを募る。
  • 子どもが参加できる部分がないか検討する。

【苗準備】

  • 畑作りと同時に苗の準備も始める。※準備が間に合わない場合は購入を検討。

【苗植え】

  • 苗が育つ時期を見て、植え付けをする。
  • 幼児も参加できるので、お楽しみ会として企画し、参加者を募る。

【見守り、水やり、雑草取り】

  • 畑で育ったものを収穫し、調理をする。
  • 多くの子どもが参加できる行事として企画する。

レポート

当日の様子・子どもたちの声・よかったこと

当日の様子

【畑作り】

園芸福祉にいがた(以下、NPO)の皆さんの協力により、雑草だらけの館庭の花壇を畑にすることからプログラムはスタートしました。炎天下で花壇の芝生を剥がし、肥料を入れ、畝を作ることは職員だけでは決してできない事でした。大人だけでなく、子どもたちも年齢に応じて力を発揮してくれました。高校生が畑を耕し、小さな子どもたちが種まきをし、苗を植え、小学生が看板を作り、あとは成長を待つばかり!

種まきの日には、お試しでプランター栽培していたナスと越後の白ナスを焼いて“プレ収穫祭”も行いました。

【梅干し作り】

収穫祭で、おにぎりも食べたいと考え、梅干しも手作りすることにしました。燕市食生活改善推進委員協議会(以下、食推)の皆さんにご協力いただき、地元産の梅と赤ジソを用意しました。ここでもさまざまな年代の子どもたちが力を発揮! 就園前の小さな子どもたちは梅を洗って、ヘタを取るお手伝いをしてくれました。そして、土用の丑の日の頃には、高校生が梅を一粒ずつ丁寧に天日干ししてくれました。こちらも秋の収穫祭には食べごろになるはずです。

【畑・・・その後】

作物がぐんぐん育ってくるとともに、青虫との戦いが始まりました。さらに間引きなどNPOの皆さん、さらに地域の方のアドバイスも受けながら畑の見守りを続けました。

【畑を知ってもらうために】

計画その1 : 子育て支援の講座のある日にだいこん・にんじん・ほうれんそうを間引きし、配布しました。NPOや食推の方より、離乳食での食べ方のアドバイスもしていただきました。

計画その2 : 集客が見込まれる大きな行事に合わせ、 “ミニキッチン菜園&ミニガーデン”を企画しました。農業高校の学生の指導により小さな植木鉢に野菜の種をまいたり、NPOの専門性を生かしてもらえる“多肉植物の寄せ植え”も行いました。参加者は138人。大盛況でした!

【野菜を収穫しよう!】

冷たい雨の中の収穫となりました。しかし、野菜は大豊作! 一番大きなだいこんは、65㎝、3600gもありました。

【収穫祭】

いよいよ、収穫祭当日です。荒天の中、食推さんはじめ多くのボランティアさんが、会場設営をし、来館者を迎えます。

しかし、外は相変わらずの荒天。参加者が少なく残念でした。それでも、お世話になったNPOの方やご近所の方も足を運んでくださいました。

こどもの森は調理施設のない児童館のため、カセットコンロを使い“災害食”をテーマに収穫祭を実施することにしました。レトルトパックごはんでおにぎりを作り、炊き出しが到着したという設定で収穫した野菜をたっぷり使った汁物とデザートを提供しました。参加した子どもたちは、のりを小さく切ってミニおにぎりにしたり、太巻きを作ったり・・・それぞれ工夫して楽しんでいました。途中、アンパンマンの着ぐるみも特別参加! 小さな子どもたちは大喜びでした。

また、防災のプロの意見を参考に非常時持ち出し品の展示やリスト作成、クイズラリーも行いました。高校生のボランティアサークルには、クイズラリーの景品として、牛乳パックを使ったビニール袋入れを作ってもらいました。

【収穫祭その2 ~はじめてキッチン~】

野菜がまだまだたくさん残っていたため、幼児とその保護者を対象にした料理教室を企画しました。NPOや食推の皆さんに相談し、メニューは「だいこん餅」「野菜たっぷりスープ」「フルーツ寒天」に決定。大根をすりおろしたり、野菜を手でちぎったり、小さな手が大活躍の企画でした。
子どもたちの声

・お友だちとおにぎり作って楽しかった。(小学生)

・アンパンマンがいたからいつもよりたくさん食べれたよ!(幼児)

・クイズラリー、ちょっと難しかったけど、お兄さん、お姉さんが助けてくれたから全部分かったよ。(小学生)

・実際の災害時にもごはんとのりさえあれば子どもは食事を楽しめることが分かりました。また、炊き出しを行ってくれる団体(食推)があることも初めて知りました。(保護者)

・汁物の野菜を全部、こどもの森の畑で作ったと聞き、驚きました。(保護者)

・畑作りから手伝っていたので、みんなが喜んで食べてくれてよかったです。(高校生)

・自分で作って食べる(おにぎり)というのがいいと思いました。(高校生)

・楽しみながら食や防災について考えることができたのはとてもよいと思いました。(専門学校生)

・野菜をたくさん切るのが大変でしたが、良い経験となりました。大勢の人の料理を作るのは手間と時間がかかると分かりました。(専門学校生)

・ボランティアの経験がなかったため、ポスターを見て参加してみようと思いました。普段の勉強とは違い、実際に子どもたちと触れ合えてよい経験になりました。自分のことを恐がらず話しかけてくれた子がいて、嬉しかった!(大学生)
よかったこと 児童館職員だけでは草だらけの土地を畑にすることは絶対にできませんでした。園芸福祉にいがたの皆さんが、計画的に作業を進めてくださったことが、大豊作という結果をもたらしてくれたと思います。畝を作ったころから、散歩中の方が「何植えるの?」「草取りもしないとね」「そろそろ収穫だね」などと声を掛けてくださるようになりました。挨拶を交わすだけだった方たちが、畑とともに児童館にも関心を持ってくださるようになったことはとてもうれしい“収穫”でした。

児童館・協力NPO・その他協力者の感想

児童館担当者

・乳幼児の利用が多い児童館のため、畑作業に小さな子供が直接かかわることはなかなかできませんでした。しかし、無農薬のとれたての野菜は、小さな間引き菜でも、離乳食用にと、とても喜んでもらえました。“食”への関心は高いと感じましたので、今後も乳幼児とその保護者を巻き込めるような活動を検討していきたいと思いました。

・夏休み期間は、小学生から高校生まで、普段とは違う年齢の子どもたちも参加してくれました。この時期にできる作業をもう少し多くしたいと思いました。

・企画の意図を説明することで、多くの協力団体を得ることができました。

・燕市内の広報活動は十分にできていたと思いますが、市外への広報活動をどのように行うかが、今後の課題です。収穫祭だと知らずに来館した方が多くいたことは、非常に残念でした。
協力NPO

・子どもがおにぎり(出来上がりは太巻き!)を作る様子を見て、「防災なのに楽しそう!」というママの声があった。実際の災害時も、食べることは楽しみであって欲しいと思いました。

・児童館とひと言で言っても、利用者の年齢層が違うとこれほどプログラム作りに配慮した方がよいということを知りました。先生方のプロの力を見ることができました。

・学生スタッフの力が発揮されていました。こういう場を作るお手伝いができたことを嬉しく思います。

・ただ食べるだけでなく、防災に関する体験コーナーもあり、子どもが退屈しないようになっていました。

・どの野菜も思いのほかよくできて、収穫の喜びを共有できてよかったです。

・子育て支援講座に参加された親子に、わずかでもできた野菜を持って帰れるように配慮し、畑を作っていることをお知らせできていて良かったと思います。

・日頃の業務をしながらの畑作業は、想定外の問題点もあったかと思います。反面、感動もたくさんでしょう! できる範囲で、継続的に協力してもらえる方法を一考していく必要があると思います。

・8月のあの暑さの中、みんなで協力しあったことがプラスになり、大きな野菜を収穫できたことを嬉しく思いました。

・野菜や花は、時期があるので、もう少し早めにスケジュールを組んでもらいたいです。お話しする機会がもう少し欲しかったです。
その他協力者

・小さなお子さんがたくさんいて、親子の交流が多く、会話がはずむ姿を見ていて、嬉しくなりました。アンパンマン登場も子供は非常に喜んでおり、細かい気遣いは大切だと感じました。天候が良ければ…と少し残念でしたが、室内のアットホームな雰囲気は良かったと思います。

・防災というテーマに食が結びついていることで、より身近に親しむきっかけ(入口)として子どもたちに提供されていた様子が伺えました。

・どの参加者も幸せそうな笑顔で食べていて、おいしい食べ物は幸福の素だと感じました。

・多くの団体の協力を得ていて、関係者を巻き込むパワーがあったと思います。

・子どもと関わる活動に呼んでもらえることは非常にありがたいです。また一緒に活動しましょう。(食推)

燕市児童研修館 こどもの森について

連絡先

住所 〒959-1263 新潟県燕市大曲3355
電話番号 0256-61-1551