NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2015

下有住児童館

岩手県気仙郡住田町

「夕涼み会」と「収穫祭」で子どもの笑顔を生み出し隊

タイトル 「夕涼み会」と「収穫祭」で子どもの笑顔を生み出し隊
協力NPO
  • 住田子ども応援隊
  • 一般社団法人 邑サポート
  • SUMICA
その他協力者・関係者
  • 中上仮設団地自治会
  • 各自治公民館 (新切自治公民館・外舘自治公民館・月山自治公民館・火の土自治公民館)
  • 子育てサークル ピ・カ・ブー
開催日時 8月4日、10月25日
開催場所 下有住児童館・住田町生涯スポーツセンター内・駐車場
目的
  • 地区を越えた子どもたちが行事へ参加することを通して、子どもたち通しの人間関係の広がり、世代間交流を目指す。
  • これからも続いていく地区行事に自らが参加し、楽しさを体感することを通して、運営側の「大人たち」と子どもたち自身が繋がる。また、今の子どもたちが「大人」になった時に、運営側として地区行事へ参加することが出来るような人材の育成に繋げる。
概要
  • 毎年行っている、保育園児・小学生・中学生の夏季休暇に、保育園児・小学生・帰省中の親子を対象とした「夕涼み会」の実施。その夕涼み会では、地域コミュニティや店舗が協力して、子どもたちの喜ぶ露店を出店する。(綿あめ、水風船、かき氷等)また、中学生ボランティア等による紙芝居の読み聞かせや各露店のスタッフボランティアなども行う予定。
  • 「地域資源の素晴らしさを知る」「命の大切さを知る」ことを子どもたちに体感してもらうため、「児童わんぱく隊」(児童館に出入りする小学生12名ほど)と地元の大人と協働NPOと共に気仙川で魚釣りをして、釣れた魚を夕涼み会で行なう魚のつかみどり体験で使うことを予定。また、その体験発表を夕涼み会で行う予定。
  • 毎年恒例で行われていた地域の運動会が、東日本大震災後、仮設住宅建設の関係で行えていないことを受け、その代替案として地域住民が一体となって行う「収穫祭」を行ってきた。その収穫祭では、子どもたちによるよさこいや、地域の伝統芸能の発表を行う予定。また地域住民や仮設住宅で暮らす方々が一緒になって参加して行う「長~い海苔巻作り」は恒例になりつつあり、その際、地域の小中高生によるボランティアスタッフにサポート依頼をする予定。

下有住児童館

連絡先

住所 〒029-2502
岩手県気仙郡住田町下有住字中上100-5
電話番号 0192-48-2531

レポート

当日の様子

夕涼み会

8月4日、生涯スポーツセンター駐車場で、町内の子どもたちを対象とした夕涼み会を行い、100名以上の来場がありました。東日本大震災後、毎年住田町に足を運んでいる愛知学院大学のボランティアの学生たちも参加し、子供たち向けのゲームを行ったり、各ブースに入ってブース担当者として対応をしたりして町民との交流を深めていました。プログラムの一つでは、「児童わんぱく隊」が地元の大人と協働NPOと共に気仙川で魚釣りをしてこの日の為に準備した魚を、つかみどり体験で使用しました。魚のつかみどり体験の前には、「児童わんぱく隊」で魚釣りをした子どもたち一人一人が全員の前でその体験を発表しました。

このような地域行事を行うために、どのような準備や苦労があるかを少しでも子どもたちに知ってもらい、また、地域行事の作り方を子どもたち自身が肌で感じることでまた新たな世代に受け継がれる「夕涼み会」となりました。

収穫祭

10月25日、生涯スポーツセンター内で、下有住大収穫祭を行い、当日は400人を超える町民や町外からの参加者が集い、大変賑わいました。来場者全員が参加する「なが〜い海苔巻きづくり」では50mを超える新記録が生まれました。出し物では、地元の中学生によるよさこいの発表や隣の陸前高田市の氷上太鼓、かねてから住田町と親交のある横浜のグループが朗読劇を披露したりなど町外の方々との交流もありました。

また、下有住地区の有志が募って結成した劇団による劇には、地元の高校生が参加するなど幅広い世代間の交流も図られました。

準備から実施に至るまで、下有住地区の様々な方々がそれぞれに役割を分担し合い、毎年続いている「収穫祭」。地元の子どもたちが出し物発表をしたり、行事自体に参加をすることで、恒例行事を身近に感じられる取組となりました。

よかったこと

様々なNPOと協働することで、多くの方々を巻き込んで行事を進められた点が良かったです。事前の告知活動や参加者の集客、当日の会場レイアウト等、協働したからこそ出来たことがたくさんありました。協働NPO間の交流があったことも成果の一つです。また、地元の行事に「若者であり、ソトモノ」の方々が参加し運営スタッフとして動くことで、地元の方々の受け入れ体制が確立でき、地元行事の新しいカタチが一つ作れました。

子どもたちの声

夕涼み会
  • 魚のつかみどり体験の為の魚を自分たちで捕ることは初めてで楽しかった。
  • いつも当たり前のように食べている魚を釣るということは、とっても大変だと知った。
  • たくさんの大人の人が、夕涼み会の為に動いていることを知った。
  • 気仙川に入り実際に川の流れを体験して、川で遊ぶ時の注意が分かった。
  • 普段は一緒に遊ぶことのできない大学生や大人の方々と交流出来て楽しかった。
収穫祭
  • ながい海苔巻作りでみんなで協力して一本の海苔巻を作るのが楽しかった。
  • 練習してきたよさこいを参加者の方々に見て頂けて良かった。
  • たくさんのブースがあって、それぞれに下有住の方々ではない人が入っていて、いろんな人がいて楽しかった。
  • 参加した人たちがそれぞれに楽しめるような仕掛けがあってすごかった。

協力NPOの感想

  • 地元の行事にソトモノが入ることはなかなか大変なことですが、今回、下有住児童館の方々が地元の方々に紹介をしてくれたおかげでスムースに馴染むことが出来ました。また、毎年行っている行事だけあって大枠が決まっていても、柔軟に新しいことに取組む姿勢に感心しました。
  • 各家庭でそれぞれの子育ての形があると思いますが、「地元の大人たちみんなで地元の子どもたちを育てる」という形がある地域だと感じました。知らない大人に対しても自分たちから挨拶をしたり、積極的に交流する姿は、都会ではなかなか見られない光景だと思いました。
  • 子どもたちの為に大人が動くのは当たり前だと感じる方々が多い地域で素晴らしいと感じました。
  • NPOが単独で出来ることは少なく、様々な団体と協力したからこそ色々な効果を生めたと思います。是非来年以降も協力させて頂きたいと思いました。

児童館担当者の感想

15回以上行っている「夕涼み会」、震災後に行っている「収穫祭」、いずれも地元の行事ではありますが、「ソト」の方々に積極的に参加して頂くことでより盛り上がるものとなりました。様々な方々や団体、NPOが協働することで、スタッフ間の交流や地元の方々との交流、世代間交流といった多くの交流や繋がりを生み出せたことは大きな成果だったと思います。ここで生まれた繋がりや絆を、今後も様々な場面で活用して行きたい次第です。