NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2016

沖縄市あげだ児童館

沖縄県沖縄市

こども「ココロの安全基地」プロジェクト

タイトル こども「ココロの安全基地」プロジェクト
協力NPO NPO法人 こころひまわり
その他協力者・関係者
  • 安慶田自治会
  • 照屋自治会
  • くすぬち平和文化館
  • 沖縄市立安慶田小学校(こども教室)
  • 沖縄県子ども総合研究所
  • ファミリークラブ'絆'
開催日時 2016年7月6日~9月頃
開催場所
  • 沖縄市あげだ児童館
  • 沖縄市安慶田自治会
  • 沖縄市照屋自治会
  • 沖縄市安慶田小学校
  • 沖縄市社会福祉センター
目的
  • こどもにとって、安心で心のよりどころとなる「こどもの居場所作り(安全基地)」
  • 児童館及びNPO、地域が協働してこどもたちを見守るネットワーク作りの構築
  • 支援者がこどもに寄り添う技術及びセルフケア技術の向上
概要

1. 児童館職員研修

対象:沖縄市内児童館及び関係機関職員
内容:児童館ができるこども居場所づくりについて
講師:NPO法人こころひまわり 若尾美希子氏
会場:沖縄市福祉文化プラザ児童センター

2. 「沖縄のこどもの貧困って何だろう?」

対象:「こども居場所づくり」に関心のある地域の方々、関係機関
内容:(1)講話(2)相対的貧困家庭の生活を家計から考えるワーク
講師:沖縄県子ども総合研究所(鈴木友一郎氏/平林勇太氏)
場所:沖縄市社会福祉センター 会議室1

3. こどものココロの安全基地ファシリテーター育成講座(2回)

定員:6名(「こども居場所づくり」に関心のある方)
内容:
・こどもが安心して過ごせる「場所(空間)」「地域づくり」「遊びや色彩心理」を活用し、こどもの気持ちに寄り添うスキルをもつ人材を育成
・支援者自身のココロとカラダの健康の為に、セルフケア技術を学び、その技術をこども達に応用する方法を学ぶ

育成講座1(会場:沖縄市社会福祉センター ゆい工房)
色彩心理を活用したコニュニケーション理論とファシリテーターとセルフケア技術を学ぶ

育成講座2(会場:沖縄市あげだ児童館)
育成講座1を踏まえ、NPO法人こころひまわりが実際にどのようにこども達に活用されているのかを学び、ファシリテーター同士で実践する
※事業終了後、地域にファシリテーターが活動できるよう推進する
講師:NPO法人こころひまわり 若尾美希子氏

4. こどもの心に寄り添う実践講座(一般大人向け)

対象:「こども居場所づくり」に関心のある地域の方々、関係機関
定員:24名
内容:当プロジェクトの趣旨をもとに、活動のねらいや理解や効果を学ぶ
講師:NPO法人こころひまわり 若尾美希子氏
場所:沖縄市社会福祉センター 会議室1

5. 安全基地ワークショップ

【対象】幼稚園児~高校生
※会場安慶田小学校のワークショップのみ、安慶田小学校児童
【各ワークショップ内容】

  • 安全基地1「絆を深める積み木のワークショップ」(会場:安慶田自治会 定員:20名)
  • 安全基地2「親子の絆を深めるカラーセラピー」(会場:あげだ児童館 定員:10組)
  • 安全基地3「こどもに寄り添うカラーセラピー」(会場:照屋自治会 定員:20名)
  • 安全基地4「こどもに寄り添うカラーセラピー」(会場:安慶田小学校こども教室 定員:20名)

【安全基地ワークショップでの大人の動きについて】
2~4工程を踏まえて、「こどものココロの安全基地ファシリテーター」や「こども居場所づくり」に関心のある地域の方々がワークショップのサポートに関わり、実際に体験しながら、活動のねらいの理解や効果を実感することをねらいとする。

沖縄市あげだ児童館について

連絡先

住所 〒904-0012
沖縄県沖縄市安慶田2-17-10
電話番号 098-934-4643

レポート

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当日の様子

大人向け講座
  1. 沖縄のこどもの貧困って何だろう?

    前半は講話形式で、子どもの貧困対策について、貧困の定義、絶対的貧困と相対的貧困の違い、沖縄の実態について等を学びました。その現状から、今できること、やるべきことの提議があげられ、再認識しました。

    後半は「相対的貧困家庭の生活を家計から考えるワーク」をグループで行い、情報交換を行いました。

  2. こどものココロの安全基地ファシリテーター育成講座(2回)

    (育成講座1)
    色彩心理を活用したコミュニケーション理論とファシリテーターとセルフケア技術を学びました。

    (育成講座2)
    育成講座1を踏まえ、NPO法人 こころひまわりが実際にどのようにこども達に活用されているのかを学び、ファシリテーター同士で実践練習を行いました。

    ※本プロジェクト終了後、受講者は『こども「ココロの安全基地」ファシリテーター修了証』『ココロの色・処方せんアドバイザー』を同時取得しました。

  3. 児童館職員研修

    市内児童館職員及び市内関係機関の支援員等を対象に、研修を実施しました。児童館職員として、こどもへ寄り添うスキルや思春期の児童への支援(職員と児童の境界線)、職員自身のセルフケアについて、講話形式で学びました。

  4. こどもの心に寄り添う実践講座

    カラーセラピー(色彩心理)の基本を学び、夏休みを前にこども向け「安全基地ワークショップ」のクレヨンワークを参加者が実際に体験しました。

    またファシリテーターにとって、初めての実践の場となり、参加者へクレヨンワークの誘導やカラーセラピーを行いました。

こども向け 安全基地ワークショップ

「積み木のワーク」や「クレヨンによるカラーセラピー」を通して、こども達が楽しみながら、自己表現する場として実施しました。こども達が主体になることはもちろんですが、ファシリテーターの実践の場となり、地域の大人がこども達に関わる機会となりました。

会場を児童館のみならず、地域の自治会や小学校で実施することにより、参加者側が、地域内にこども達の居場所が複数あることのイメージができるように工夫しました。

ココロの安全基地マップ作り

夏休み期間中に、児童館の行事等に携わっている高学年らを中心に、地域におけるこどもの居場所に関するマップ作りを実施しました。

こども達からあげられた場所へ出向き、各関係者へインタビューしながら地域を探検し、マップを仕上げていきました。

児童館にて完成報告会を行い、マップを披露しました。

協力団体全体会議

本プロジェクトの全プログラムを終え、協力団体による全体会議を実施し、ふりかえりの場を設け、本プロジェクトを通して、こども居場所作りに関する課題や方向性について協議しました。

  1. 本プロジェクトの成果報告
  2. こども「ココロの安全基地」ファシリテーター育成講座修了認定証 授与式
  3. 成果について意見交換
  4. グループワーク「今後の安慶田・照屋地域での協働による課題解決への具体的アクションについて」

よかったこと

本プロジェクトを通して、様々な期間と協働及び連携を図ることにより、こども居場所作りに関して、意見を聞くことができ、地域の課題と今後の方向性を確認することができた。

子どもたちの声

  • たくさんの色を使って楽しかったです。またやりたいです。
  • このイベントをやって、自分の思った事が出来て楽しかった。
  • 「安全基地マップ」を作ってみて、私達のまわりには遊び場所がいっぱいあって、行ってみたいと思った。

協力NPOの感想

当プロジェクトを通して、事業目的の3つ、こどもの安全基地を作る、協働してこどもたちの見守りをするネットワークの構築、支援者のこどもに寄り添う技術・セルフケア技術の向上を達成できたと思う。

ネットワークの構築に関して、今まで児童館が個別に連携していた個人や団体が集まり、それぞれの課題や問題、活動内容や支援を始めるきっかけ等、お互いを知ることが出来たことが大きな成果であり、今後、支援者の協働により、地域全体が、こどもの安全基地となり、こどもたちがより安心して過ごせる場所が充実するだろうと感じた。

そして、支援者のこどもに寄り添う技術・セルフケア技術の向上を図る「こどもココロの安全基地ファシリテーター」育成講座では、参加者の多くが、こどもを育てている保護者であり、地域のこどもたちを支援する支援者という立場から、子育て支援やこどもの成長発達について、専門的な勉強をするチャンスがなく、お母さんの延長で、試行錯誤の上、深刻な状況におかれているこどもたちに関わる支援又は地域活動と、我が子との関わり、家庭のバランスをギリギリのところで、なんとか保っている方に学んでいただくことで、家庭と支援と個人のバランス、気負いすぎない支援を学び、考えるきっかけになったのではないかと思う。

さらに、当プロジェクトが当団体へ与えた大きな影響としましては、沖縄市の補助金でこどもの夜の居場所事業を開始することができたことである。当プロジェクトで、地域の支援者と情報交換する中から、地域に必要な支援ではあるが、無かったこどもの夜のココロの安全基地をスタートできたことは、当プロジェクトで実態を把握できたことが大きな要因であると考えている。

その他協力者の感想

  • こども達を取り囲む貧困の背景を知る機会となり、こども達への支援の在り方について考えることができた。
  • 地域ごとの支援者ネットワークの会を設けて、支援体制の構築を図ってほしい。

児童館担当者の感想

  • 本プロジェクト計画及び実施にあたり、「NPO法人 こころひまわり」については、すでに児童館運営に協力を頂いていた団体であった為、協力を得やすく、定期的にミーティングを行いながら、実施することができた。
  • 本プロジェクトを通して、NPO協働や協力団体、地域の様々な支援者が一同に会したことで、こどもの居場所作りについて、あらたな協議を進めることができた。今後、「こどもの居場所作り」が求められる中、関係機関がより良い支援や連携が図れるように、ネットワーク作りの構築や地域におけるコーディネーターの配置の必要性を感じた。また「当協働事業サポーター NPO法人 まちなか研究所わくわく」宮道さんには、協力団体による全体会議を実施するにあたり、会議の持ち方についての助言や当日の司会進行等のサポートがあることにより、円滑に会議が進行され、会議内であげられた意見等も集約しながら進行してくれたので、全体の意見を明確にすることができた。