NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2018

仙台市東宮城野マイスクール児童館(8児童館合同)

宮城県仙台市宮城野区

自然とあそぶ・学ぶ。五感で感じる・あじわう。IN 登米鱒淵

タイトル 自然とあそぶ・学ぶ。五感で感じる・あじわう。IN 登米鱒淵
協力NPO
  • 山彦くらぶ
  • 鱒淵地域住民自治推進協議会
その他協力者・関係者

REBORN FOREST 登米

開催日時 2018年7月〜10月
開催場所 馬の足会館・ホタル会館(登米市)・仙台市内8児童館
目的

私たちが大事にしている子育て指針の中にある「命の基礎である自然や食、地域の文化、人と人との関係を大切にする」ことを「あそび」を通して育んでいくという観点から、この自然活動において豊かな人間性や関係性づくりをしていくことを目的としています。自然活動を通して子どもたちが目で、耳で、鼻で、触って、味わう「五感」を大切にすることにより、子どもたち自身で考えたり、仲間同士で話し合ったり、工夫することでの学びをたくさん得たいと考えています。

概要

1. ゲンジボタルとの出会い

街灯もない地区での「真っ暗な夜の体験」とあわせて、ゲンジボタルの群生地に行き、ゆっくり時間を堪能する。ホタルからみる、環境教育も行う。

2. 『山は海の恋人』

環境問題を山から考える。雨が降り、山が水をろ過して、川にながれ、海にそそぐ。自然の中での山の役割とそれを守るために手入れしていくことの大切さを学ぶ。

3. 『手仕事の技』から学ぶ

鱒淵地区の達人たちによる伝統工芸を自分たちでやってみる体験会を児童館で行う。現地での活動に参加できなかった低学年のこどもたちも楽しめる取り組みと達人たちとの交流会を行う。

仙台市東宮城野マイスクール児童館

連絡先

住所 〒983-0042
宮城県仙台市宮城野区東宮城野5-1
電話番号 022-239-5484

レポート

当日の様子

1. ナイトキャンプ『ゲンジボタルに会いに行こう!』

鱒淵地区はゲンジボタルの生息地です。当日は午後3時に集合し登米へ出発。

ホタルがたくさん飛ぶ夜の7~8時をねらって活動開始しました。現地の方々のガイドの下、旧迫川にそってホタル探し。街灯もない真っ黒な夜の中、懐中電灯は各班で1本。河川にそって飛ぶホタルを見つけたときの子どもたちの大きな歓声は今でも忘れられません。夜空を見上げれば満点の星。キャンプの参加にむけてホタルや星座について事前学習してきたことを、実際に自分の目で見て確認をしておりました。ホタルはどんな環境で生息できるのか、飛び方でわかるホタルの寿命やオスとメスの飛び方の違い、ホタルを保全するために私たちができることについて、現地の方々から学ぶことが出来ました。そして、6棟張ったテントでの一晩は、仲間たちと過ごした最高の夜となり、朝は4時から起きて活動を始めていたくらい、元気いっぱいな子どもたちを目の前に、大人たちは疲労感いっぱいでしたが、幸せそうな子どもたちの顔に私たちも頑張り通すことができました。

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2. デイキャンプ『夏をおもいっきりあそぼう!』

計画では当初、鱒淵川の源流探しをし、どこにむかって流れて海まで繋がっているのかということを学ぶ機会でした。さらに「子どもたちの参画」も大きなテーマとして、各児童館から1~2名の子どもを選出して、子ども実行委員会を発足しました。

各児童館で委員が意見をまとめてきたことを、実行委員会で議論し決定していく中で、計画とは違うことをやりたいという意見があり「とにかく、ゆっくり!思いっきり!自分たちがしたかった遊びを楽しみたい!」というものでした。その中で「沢遊び」「水風船戦争」「虫さがし&植物あそび」をすることになり、子どもたちそれぞれが役割分担の中で、当日まで進行や準備をし、大人たちは子どもたちからお願いされたことをお手伝いするというスタンスを守りました。当日は子どもたちが思った通りのことを全部行うことができました。終わってみての子どもたちの感想は「つめこみすぎた。よくばらないで、沢遊びだけにすればよかった。」でした。ですが、自分たちが企画したことを実現し、少々疲労感は残ったものの、彼らの表情は充実感いっぱいでした。準備をしていく中で、またさらに他館同士の交流や仲間づくりができたことも、大きな収穫だったと思います。

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3. 『手仕事の技』『生活の知恵』から学ぼう!

全ての子どもたちにむけて自然体験活動を発信するために、活動場所を仙台にうつしました。ワーカーズコープ9児童クラブが運営した、「児童館フェスタ~わくわくドリーム商店街」にて、自然体験活動のワークショップ「杜の工房」を行いました。各館で子どもたちが作成した活動を紹介するパネルの展示、登米鱒淵地区の紹介映像、木の年輪当てクイズのブースの運営と、手仕事から学ぶブースとして、わらを使った縄編み体験、竹鉄砲での射的あそび、実際の柿の木を登米から仙台まで運び、柿もぎ&渋抜き体験を行いました。登米の方々が日頃から当たり前として生活の中にある知恵や手仕事を子どもたちや一般来場者にも発信することができました。当日は子ども実行委員会のスタッフも運営に携わり、登米での活動の紹介や、各ブースの運営をしました。本物の柿の木の出現に来場者はみんな驚き、保護者や子どもたちも大変喜んでおりました。

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よかったこと

  • 各児童館から選出された「子ども実行委員会」の立ち上げをし、子どもたちの参画を大事にした活動ができました。会議で議論し、決定したことを実行することについて最後までやり遂げることができました。
  • 活動の成果を児童館フェスタや保護者会等で発表し、自然体験活動の大切さについて発信することができました。来年度の参加希望の声が高まりました。
  • 中学年から高学年児童までが活動の対象であり、彼らの気持ちを大切にし、役割と居場所づくりを一緒にしていくことで、高学年児童をどう活かしていくのかについて、職員たちへの学びの多い活動であったと感じました。
  • 仙台チームも登米チームも、毎月必ず会議をし、互いの活動への思いを共有しながら、課題点、目標地点を明確にしていくことができました。活動がどんなに大変でも「子どもたちの最善の利益」のために集まった大人たちのパワーで乗り越えることができました。こどもたちが幸せそうに楽しんでいると、大人たちは元気をたくさんもらえました。両者間の信頼関係も深まりました。
  • 今年の活動で、大きな課題となったとはリスクマネジメントの点でした。「熱中症対策」「鱒淵から急病のための緊急搬送の手順」「ハチ・熊対策」「沢遊びでの引率ポイントについて」など、各担当者がリスク回避マニュアルを作成したことで、その後の児童館事業にも大きく役立てることができました。

子どもたちの声

  • 泊まりのキャンプが本当にたのしかった。冬にもやりたい!
  • ゲンジボタルをみることができて、本当にうれしかった。星もきれいだった。
  • 他の児童館の友達ができた。フェスタで会えてうれしかった。
  • 仙台ではできないことが、たくさんできてうれしかった。
  • ヤギがケンカしていると思ったら、おじさんに「あそんでいるだけだから、大丈夫だよ」といわれた。

協力NPOの感想

  • この活動は本当に楽しい。ナイトキャンプのときは倒れるかと思ったが、終わった後のお疲れさま会は格別でした。
  • ありのままの自分たちの生活や仕事を、子どもたちに体験してもらうことによって、自分たちの生活や住んでいる地域の良さにこちらが気づかされた。
  • 来年も是非続けてほしい。今度は保護者にも来てほしい。継続した活動(田植えから稲刈りや、野菜収穫など)をやってみてはどうだろうか?
  • 来年度、実施するとして新しいことを新たに行うということではなく、これまでの活動をベースにして、あまり詰め込みすぎず、続けていきたい。

児童館担当者の感想

  • 毎年担当者が変わるため、毎年イチからのスタートとなるが、多くの職員が担当することで、様々な体験を日々の仕事にも活かすことができる。
  • 登米の方々のお力がないと、到底できないこと。感謝しかない。
  • 参加するすべてのみんなが「記憶に残る取り組み」としてずっと残る活動だと感じた。
  • ワークショップで、外国籍の児童がわらの縄編みを教わっていた。国際交流の一面もみられた。
  • 生きていくうえでの『幅』が増えた取り組みだと思う。
  • 完成度の高まりではなくて、あるがままを体験・体感することができた。
  • 学校に足が向かなかった児童が、ナイトキャンプ後、学校にいけるようになり、保護者、学校と共に泣いて喜んだ。自分自身を開放し、一晩共に過ごすことによって仲間づくりができ、元気になれたのかもしれない。