北九州市徳力児童館
福岡県北九州市小倉南区
とくりき どんどこぷろじぇくと
タイトル | とくりき どんどこぷろじぇくと |
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協力NPO |
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開催日時 | 2018年8月~2019年2月末 |
開催場所 | 徳力児童館・山田緑地 |
目的 | 様々な事業を通して、他者とのかかわり方を学び、児童館の基盤となる「子ども=子ども」「子ども=大人」「大人=大人」など、さまざまな形の人間関係を構築していきたいと考えています。 |
概要 |
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北九州市立徳力児童館について
連絡先
住所 | 〒802-0976 福岡県北九州市小倉南区南方2-11-18 |
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電話番号 | 093-961-2270 |
レポート
当日の様子
1. 命の大切さ、多種多様性について学ぶ(H30.8.29)
生き物を通じて、命の大切さ、多種多様性を学びました。児童館周辺でも同様の観察活動を行い、自分だけの昆虫図鑑を作成しました。
2. 食の大切さについて学ぶ(H31.2.6)
日本の食糧事情、世界状況を知り、消費・賞味期限の違いを学び、実際に食べてみて何ともないことを体験しました。また、肉や魚など「命を【いただきます】」の言葉を通して、その大切さを感じました。「食べ物を捨てるということは、どういうことか」を深く考えました。
3. まとめ
フードバンクからの材料で、1.(H30.12.27.)もちつき2.(H31.2.7.)ポテトチップ作りをしました。食材を大事に使い切ること、おいしく食べるコツ、みんなで取り組むことの楽しさを学びました。市販のものとフードバンクのものを食べ比べ、遜色ないことを自ら知りました。
よかったこと
- 子どもたちに種類を聞かれても答えられない昆虫等について、専門家からすぐに答えをもらうことが出来、満足いく活動になりました。
- 生き物に対し興味を持ち、それぞれの生命や生の営みを感じるようになりました。
- 児童館周辺での観察活動の際、カマキリがバッタを捕食する場面に出くわし、命がつながっていること、食べるもの、食べられるものの関係性を自分の目で見ることが出来ました。
- 年齢や学年を感じながらの集団活動、多種多様性を知り、少しではあるが「他者受容」の気持ちが見られるようになりました。
- 高学年が低学年を気遣い、教えたり、声を掛けあったりする姿が見られるようになりました。
- おやつなど、残さないように努力し、大切にしようとする姿勢や「残したらいけん」と声を掛け注意する姿が見られるようになり、無駄に廃棄することが少なくなりました。
子どもたちの声
- 昆虫の名前をすぐ教えてもらい、珍しい昆虫を見られて楽しかったです。
- 児童館の周りにもたくさん生き物がいることが分かりました。
- 生き物には命があって、大切にしなければいけないと分かりました。
- 外での料理は楽しい。いろいろ出来るようになってきました。
- 料理の道具とかいろいろ使って楽しいです。みんなで食べると美味しいです。
- 食べられるものを捨てることに「もったいなさ」を感じました。これから「いただきます」「ごちそうさま」を、心を込めて言いたいと思います。
- これからは嫌いなものも一つは絶対食べるようにしたいです。
- これからは残さず食べたいと思います。今日のお話を聞いて、友だちに教えようと思います。
協力NPOの感想
まほろば自然学校 岩熊志保
児童館の子どもたちには、身近ないきもののつながりを感じてもらうお手伝いをさせていただきました。
山田緑地という特別な場所ではありましたが、子どもたちが普段利用する児童館の周りでもいきものたちの関係は同じです。生きていくために食べなければなりません。ケースの中でカマキリがバッタをムシャムシャ食べるところをだけを見ると一見残酷に感じるかもしれませんが、それは、カマキリからしてみれば生きていくには当たり前のことです。草を食べるバッタがいて、バッタを食べるカマキリがいて、そのカマキリを食べる小鳥がいて、生態系のバランスがとれ、循環しているのです。
そのようなダイナミックな目には見えないつながりは、なかなか一度だけの体験活動で伝えていくのは難しいことですが、その後のフォローとして児童館で周辺のいきものを調べる活動を続けたことによって子どもたちの中に何かしら感じるものが芽生えてくれたのならば幸いです。
私たちは、子どもたちにきっかけを提供させていただいただけにすぎませんが、いのちのつながりを感じることができる大人に育ってほしいと願っています。また児童館さんには今回の事業の中で出来た団体同士のつながりも最大限利用してほしいと思っております。今後、何かあれば喜んでお手伝いさせていただきます。
フードバンク北九州ライフアゲイン 原田昌樹
今回、どんどこPJのお話があり、食を通じて“いのちの大切さ”を子ども達に実感してもらいたい!という要望でした。
対象の子ども達はどちらかと言えば、荒れている子ども達だと事前に聞いていましたので、ただありきたりのお話しをするだけでは、心の中にまでは届かないと思い、できるだけ視覚に訴え、私たちフードバンクが寄贈してもらっている食品に実際に触れてもらうことで五感を通して心で感じてもらえるよう工夫しました。
結果ですが、子ども達は目をキラキラさせて聞いてくださり、真剣に質問をし、心の中にまで届いたように感じました。私もこのお話をいただいて心から感謝しております。いのちを大切に!は誰でもが叫んでいるスローガンですが、誰でもが心から誰にでもそう思えているかは別問題です。私は、このどんどこPJを通して、子ども達の心に一生残っていく、いのち教育ができればと期待しております。
KID's work 大久保大助
徳力児童館の子どもたちの様子は、関わり始めた当初と比べると大きく変わってきたな~と感じています。以前は、自分のしたいことを優先する、集まっても並ばない、思いついたことを言う、話を聴かない、感情的になる…など、すべての子どもたちがということではないですが、そのような様子が度々見られました。
しかし、活動を通じて子どもたちと関係がつくられる過程において、そうした行動は少なくなりました。何度も活動に来てくれる子どもたちに仕事を頼むと子どもたちはすぐに動いてくれるようになってきましたし、説明をしているときも、おしゃべりをしている他の子どもに声をかけるなど、子どもたちは協力的になってきました。
また、徳力児童館に通うある子どものエピソードとしてこんなものがありました。「夏休みのある日、お母さんが外出して帰りが遅く、食事が用意されていない事があったそうです。その時に兄妹で、児童館のプログラムで実施した玉子焼きづくりを思い出して自分たちで作って過ごしたそうです。」
これまで、子どもの体験活動ということでは、子どもたちがよりよく生きていくため、健全育成という文脈で語られることが多くあったと思います。しかし、そうしたプログラムも、子どもたちのこうした「暮らしの状況」も視野にいれた体験活動が必要になってきたことも、この事業を通じて痛感しました。
NPOどんどこプロジェクトは、子どもに対する「現場での関わり方」「プログラム(事業・活動)を通しての関わり方」2つの関わり方を改めて見つめなおすいい機会でもありました。今回、このような機会をいただいたことに感謝いたします。
その他協力者の感想
北九州市福祉事業団 事務局 西川真
午後からの参加でしたが、捕まえてきた昆虫のスケッチを見て、みんなとても上手に特徴をとらえていると感じました。子どもによっては細部まで表現する子どもや、大まかに表現する子どもがいて、絵としては上手下手がありましたが、一目見てこの虫だなというのは理解できました。また、芝生広場横の水遊びでは、のびのびと遊んでいました。遊ぶ範囲もきちんと守ることができ、とても楽しそうでした。この日一日で、いろいろな体験ができたと思います。今後もこのような体験が出来たらよいと思いました。
北九州市福祉事業団 事務局 藤田勲
賞味期限と消費期限の違いや食品ロスの話を子どもたちにわかりやすく伝えており、子どもたちも集中して話を聞いていた姿が印象に残りました。バナナやパンなど日常的に口にしている食べ物を題材として扱うことで子どもたちも興味を持って聞いていたのではないでしょうか。食べ物をはじめとして資源を有効に使うことが大切だということを意識してもらうきっかけになったのではないかと思います。
枝光児童館 児童厚生員 三嶋涼子
食糧自給率など、小学生には、難しそうな話を聞いて、子どもたちなりに、考えている様子や、魚や肉、野菜の命を「いただきます」の一言に、込められた意味を、しっかり感じている姿が、良かったです。
児童館担当者の感想
1年間通してのプログラム構成は、子どもたちにも大人にとってもモチベーションの維持が難しく、プログラムの関連性が揺らぐことも多々ありました。しかしながら、専門家による「本物のプログラム」は、子どもたちにとって大変有意義で意味のある活動になり、満足感がありました。
今回のどんどこプロジェクトを通して、新しいNPOの方々ともつながりが出来ました。さらに関係性を深め、質の良い、経験の場を増やしていきたいと思います。