名古屋市中川児童館
愛知県名古屋市中川区
伝え合う「表現ひろば」
~子どものけんり 十人十色の意見表明~
※2020年9月更新
協力NPO |
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その他協力者 |
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開催場所 | 名古屋市中川児童館 |
目的 |
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概要 |
表現ひろば
表現ワークショップ
交流表現フェスタ
子どもの権利ワークショップ
地域のおとなとトークセッション
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名古屋市中川児童館
連絡先
住所 | 〒454-0031 愛知県名古屋市中川区八幡本通2-40 |
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電話番号 | 052-352-3564 |
レポート
当日の様子
「表現ひろば」(ダンス、造形、音楽)(対象:乳幼児親子、児童)
気持ちや思いを言葉で表すことのみに押し込めず、子どもたち一人ひとりにあった様々な手法を見出せるように、表現をアートと合流させ、様々なかたちで子どもたちが表現する場をつくりました。オンラインなどで地域のみならず世界とも交流しました。
■6/28・8/7 表現ひろば「イスマエラさんとあそぼう!」
児童館とフランスをオンラインでつなぎ、二元中継でダンスパフォーマンスをしあいました。8月はアフリカンダンスに挑戦しました。
■8/5・9/25 表現ひろば「かなよちゃんといっちゃんとあそぼう!」
「児童館」と「奈良」と「名古屋市内の重症心身障がい者の通所施設」をつなぎ、好きな曲にあわせて自由に表現。
「子どもの権利ワークショップ」(対象:児童、地域の大人)
地域のなかで、子どもがまちの一員として関われるように、子どもたち自身や地域の大人たちに向けて、子どもの権利に関するワークショップを実施しました。
■6/14 「子どもも大人も地域の一員」 (対象:地域(東海地方)の大人)
オンラインでコロナ禍の子どもの声を届け、子どもの権利について一緒に考えました。
■11/14 「子どもの権利について話そう」(対象:児童)
子ども会議のなかで、子どもたちと子どもの権利のことについて話しました。
「おとなとトークセッション」(子どもが主体的に企画運営し全国へ発信)
子どもたちがテーマを設定し、オンラインイベントを企画運営。全国の子ども・大人に発信し、意見交換しました。
■2/14 「校則について」「子どもから、大人、若者に聴いてほしいブラック校則について」/「自分らしさ」「意志ある未来」「何もしてくれなかった学校」「先生、大人に思うこと」(対象:児童、全国の大人)
「交流表現フェスタ」(子ども企画イベント)
■10/30 「バルーンであそぼう!」(対象:乳幼児親子と保護者)
乳幼児親子の利用者さんが、企画運営しました。
■12/1「ブレーメンの音楽隊」(対象:児童)
名古屋スクールオブミュージック専門学校の学生さんと舞台「ブレーメンの音楽隊」をつくりました。子どもたちの反応や感想を作品に反映することで、子どもたちと一緒に芸術をつくりました。
■3/13、14 「卒業ライブ!」(対象:児童、乳幼児親子と保護者)
子どもたちが、音楽で自ら表現する場をつくりました。新型コロナウイルス感染症予防も一緒に考え、屋上、オンラインシステムを活用して運営しました。
■3/30、31 「ダンス・ダンス・ダンス!」(対象:放課後クラブ児童、児童館を卒業する年長児童)
子どもたちが、自ら主体的に体をつかって自ら表現する場をつくりました。即興ダンスのかけあいができるまでに成長しました。
常設「アートコーナー」
■館内(常時)
子どもたちが、表現するのに必要な材料を取りそろえ、好きなときに表現活動できる環境を整備しました。(画材、造作物材料、楽器など)
■館外(移動児童館)
子どもたちと屋外で表現につながる様々な活動ができるよう環境整備しました。
よかったこと
災害時、気持ちの行き場がなかったり、その心のありようをうまく表せなかったりして、子どもたちの心身が蝕まれる事例がたくさんあります。コロナ禍もまさに災害が起き続けている状況で、同じように「心と体のいのち」が蝕まれる事例がたくさん見受けられます。社会も大人も子どもたちに十分な説明ができないまま、子どもたちにとっては何もかもが突然のことで訳もわからず、言葉にならない子どもたちの声が置き去りにされているのが現状です。
休校措置がとられたときは、児童館は駆け込む場として、私たちは、多くの「相談事業・ヒアリング」を通して子どもたちを見つめ続けました。とはいえ、児童館に足を運べない、姿がみえない子ども・保護者のみなさんは、今何を感じ何をしているのだろうと、見えなくなってしまったことに大きな不安を感じました。今、あらゆる事業にオンラインを付随させているのですが、その動機はこの時の経験からです。再びとてつもない緊急期に遭遇したとしても、少しでも多様なルートがあればその分つながれると思い、オンライン事業の定例化やSNSの立ち上げにも着手しました。
本プロジェクト事業では、子どもたちの言葉にならない声を表出させることに注力しました。「意見表明」や「気持ち表現」を言葉によるものだけに限定せず、自由に表現する機会をつくりましたが、それが、結果的に子どもたちの言葉にならない声や感情の発露として現れ表出したことは、ひとつの成果だと思っています。そして地域では、このコロナ禍の困難な状況は、結びつきを強くしてくれました。
今後、例えば先行きが見えない時代が続くとしても、悲観するのではなく、私たちは変わらず子どもの心身を守ることを最優先にして、日常的に子ども・保護者・協働先・地域のみなさんと一緒に考えて抜いていきたいです。それが、新しい発想や新しい価値観を生み出すことにつながっていく道なのではと思っています。
こどもたちの声
- ダンスが大好きになった。
- 自分たちが企画した会では、言いたかったことが言えた。
- 深い話をしてたけど、話に共感してくれる人がいてよかった。
- とにかく楽しかった。
- 不自由なことがたくさんある。はやくマスクを外して交流したい。踊れる日を楽しみにして待ち遠しかった。遠い施設の人とまた会いたい、遊ぼうね。
協力NPOの感想
- コロナ禍で外部との接触が奪われた人たちにとって、異文化、異世代の交流ができたことは、とても大きなことだった。大変なときこそ工夫が生まれ、これまでと違うつながりができる。前向きな取り組みに心が躍りました。
- 外部との接触が断たれたなか子どもたちと交流ができ、利用者さんの生き生きした姿が見ることができた。
- コロナ禍に直面したことで、新しい発想や交流につながった。
その他協力者の感想
- コロナ禍でいろいろな工夫を自分たちで考え、開催できたことが、子どもたちにとって、かなり糧になったと思う。(アーティスト)
- 遠く離れていても、同じ空間を感じ、時間を共有することで、言葉にはならないコミュニケーションが生まれた。(アーティスト)
児童館担当者の感想
音、体、歌、話、絵・・・様々な手法で気持ちを表現し、コロナ禍での気持ちを発露する機会になった事業でした。はじめは、参加するにも気恥ずかしくためらい気味の子どもたちでしたが、続けていくことで表現する土壌が徐々につくられ、心から楽しめるようになっていきました。そして、まわりも揶揄したり、からかったりするような態度をする子どももほとんどいなくなりました。
大人が受け止める態度を貫くこと、表現する土壌をつくこと。これらが、ありのままを気持ちや意見を表現することに必要な要素なのだと改めて思いました。