NPOどんどこプロジェクト

NPOどんどこプロジェクト 2020

中名田児童館

福井県小浜市

身近な四季を味わう体験活動

協力NPO NPO法人 森林楽校・森んこ
その他協力者・関係者
  • 民生委員
  • 老人会
  • 食生活改善推進委員会
  • 田村のゆめづくり協議会
  • 一般社団法人 中名田
開催場所 中名田児童館を中心とした中名田地区
目的
  • 地元の自然を味わう。(日ごろ見慣れている風景の中で身近な自然をあらためて感じることで、郷土の自然や風土に親しみを持つ。)
  • 体験活動という『教え・伝え・学ぶ』環境を作る。
  • 世代間交流をし、様々な人との関わり方を経験する。
  • 暮らしのための生活技術を取得する。
  • 地域のつながりを深める。
  • 地域の皆で子どもたちを育て、互いに成長していく。
概要

※採択時の情報です。新型コロナウイルス感染拡大予防のため内容が変更になる場合があります。

四季に合わせ、内容を4回に分けて実施する。

春 地元の自然を知ろう!

  • 散策活動(植物や樹木の観察)を通して、身近な自然を楽しむ。
  • サツマイモの苗植えをする。
  • ヨモギや山菜を探し収穫して、ヨモギ団子作り体験をする。

夏 竹を使って楽しもう! 川遊びをしよう!

  • 竹を使って工作(竹とんぼや楽器作りなど)をしたり、流しそうめんをしたりする。
  • 川で遊ぶ際の安全講習などをし、天候が良ければ地域の川で生き物探しや水遊びをしたりする。

秋 秋の味覚を味わおう!

  • 地元の農家さんの芋畑で芋掘り体験をする。
  • 落ち葉を使って焼き芋をしたり、工作をしたりする。

冬 雪遊びをしよう!

  • 積雪がある場合は雪遊びをする。(雪灯籠やかまくら、雪だるまを作ったり、雪合戦をしたりする。)
  • 積雪がない場合は石や枝、木の実などを使って工作をする。
  • チョコレートなどを使ったお菓子作りをする。

中名田児童館

連絡先

住所 〒917-0353
福井県小浜市深野7-11
電話番号 0770-59-0160

レポート

当日の様子

春「サツマイモの苗植え」(5/31)

新型コロナウイルスの影響で休業だった小学校がやっと再開した5月、当初、春のイベントとして行う予定だった散策活動やヨモギ団子作りは断念し、秋のイベントの為にサツマイモの苗植えだけ行いました。

当日は小雨の降る中、地域の方に畑や植え方をお世話になり、子どもたち中心で苗植えをがんばりました。密を避けるため、チラシは配布せず、口コミだけで集まってもらいました。優しく苗を扱うことや、寝かせて植えることを初めて知った子どもも多く、慣れない畑で土の感触を存分に味わっていました。

周辺は田んぼが多いので、苗を植えた後はカエルなどの生き物探しが自然と始まり、久しぶりに楽しいひと時を過ごせました。

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夏「川遊び」(8/1)

中名田にある南川で川遊びをしました。屋外での活動ということもあり、感染対策をしっかりし、チラシによる事前告知も行いました。

当日は最初にNPO法人森林楽校・森んこ(以下「森んこ」)さんに安全講習をしていただき、川の中の生き物探しをしたり、水遊びをしたりしました。子どもたちは川の中に生き物がたくさんいることを知り、水の気持ち良さを感じ、とても楽しんで活動していました。

そのあと、児童館であらかじめ用意した竹(中名田でとったもの)を使って、船を作りました。保護者や子ども会の方と一緒にノコギリやノミなどの道具を使って完成した船を、川で浮かべたり流したりして遊びました。先に出来た子どもが教えたり手伝ったりしながら、小さい子も一緒に活動することができました。船がうまく浮かんだり流れたりするように工夫する姿も見られました。

最後に子どもたちがスイカ割りをして、大盛り上がりでした。見事、割れたスイカを参加者全員でおいしくいただきました。

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秋「芋掘り」(10/18)

5月に植えたサツマイモを皆で収穫しました。事前に館長と地域の方が畑に入りやすいように草を刈って準備してくれました。今年初めて畑として使用した土地で(以前は田んぼとして利用していた)、サツマイモ自体は小ぶりでしたが、保護者の協力もあり、土の感触を味わいながら、たくさんのサツマイモを収穫できました。小さな子どもたちは、芋掘りだけでなく、虫捕りをしたり、お花摘みをしたりしながら楽しんでいました。芋ほり後は、公民館の方々のご厚意で昼食のスパゲティーナポリタンをいただきました。とても天気のいい日だったので、屋外で食べました。

「焼き芋」(11/8)

前回のイベントで収穫したサツマイモを、火起こし体験と焼き芋にして食べました。「森んこ」さんの協力のもと、参加者は火起こし方法の説明をうけ、大人も子どもも一生懸命火を起こしていました。初めて体験する人がほとんどで、なかなか火がつかない参加者もいましたが、火がつくと歓声や拍手が起こり、疲労感もありましたが、達成感の方が大きいと皆で喜び合いました。サツマイモの準備は子どもたちが中心に行いました。洗ったり、濡らした新聞やアルミホイルで包んだりして、準備できたサツマイモを自分たちで起こした焚火の中に入れ、おいしく焼けるのを待ちました。出来た焼き芋は黄色くホクホクの仕上がりで、皆で喜んで食べました。

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冬「ネイチャークラフト」(12/19)

当初、ネイチャークラフトは焼き芋の後に行う予定でしたが、時間が足りなくなってしまったこと、また焼き芋の参加者が多かったことで、屋内作業となるネイチャークラフトは三密を避けるため、別日を設けて開催することとしました。 今回は少人数でのイベントとなりました。「森んこ」さんと児童館厚生員が秋の間に集めておいた松ぼっくりやどんぐりなどを使って、15㎝四方の板の上に子どもたちが思い思いに作品を作りました。お家を作ったり、公園を作ったり、動物をつくったりとたっぷり時間をかけて素敵な作品が出来上がりました。

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「児童館に絵を描く」(12/24~2/1)

当初予定していなかったのですが、コロナ禍で暗くなった気持ちを少しでも明るくできたらと思い、児童館に絵を描くことを子どもたちに提案したところ、中名田小学校6年生の児童6人が快く引き受けてくれ、みんなで協力して図案を考えてくれました。児童館からは自由に描いてくださいということだけ伝えたのですが、今回のプログラムである四季をテーマに図案を考え、その後3回に分けて児童館に集まり、作業をしてくれました。出来上がった絵は子どもらしく、とても素晴らしいもので、児童館が本当に明るくなったように感じました。

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「凧作り」(2/6)

冬のイベントでは雪あそびをする予定でしたが、積雪がなかったため、凧作りとコマ作りをしました。「森んこ」さんに凧やコマの作り方を教わり、参加した子どもたちはそれぞれ好きな絵を凧に描き、凧を完成させました。児童館のグラウンドは電線があり危険なので、近くの田んぼで思いっきり凧上げを楽しみました。「森んこ」さんに教えてもらったコツをうまくつかみ、凧糸を限界まで伸ばして、高く高く凧を上げた子どももいました!最後に皆でぜんざいを食べで終わりました。

よかったこと

児童館だけではできないことを「森んこ」さんと協動することができ、活動の幅がとても広がりました。特に中名田は自然が豊かで様々な体験が可能な地域であるため、多くの知識や経験がある「森んこ」さんの協力は大きかったです。また、子どもたちが様々な活動において、お互いに教えあったり、工夫したりして、楽しみをどんどん増やしている姿にはとても感心しました。

こどもたちの声

  • 川にあんなにたくさん生き物がいるなんて、びっくりしました。名前も教えてもらえてよかったです。
  • 川で泳ぐと、とっても気持ち良くて楽しかったです。
  • スイカ割りが楽しかったです。私は割れなかったけど、やっているときはドキドキしました、
  • 火起こしが難しかったけど、火がついて良かったです。
  • おイモを洗うのが楽しかったです。
  • おイモを焼くと中が黄色くなって、ホクホクしておいしかったです。
  • ネイチャークラフトで自分の好きな物を作れたので、楽しかったです。僕は作ることが大好きなので、また何か作るイベントをしてほしいです。
  • 児童館に絵を描くのは、6年生全員で出来たのでとてもいい思い出になりました。
  • 凧上げのコツを教わったら、とても高く上がって、糸を全部使い切れたのがうれしかったです。
  • 今度は自分たちでイベントを考えてみたいです。お店屋さんごっことか、魚釣りゲームとか、小さい子も楽しめるイベントがいいなと思います。
  • 児童館のイベントは全部楽しかったです!

協力NPOの感想

子どもたちが、とても楽しく進んで活動に参加している様子を見て、とても嬉しく思いました。また、地域の人々が積極的に活動に関わっておられる様子を見て、とても感動しました。中名田児童館では、以前にも何度か活動をお手伝いさせていただいていましたが、今回は季節ごとの活動でしたので、子どもたちの意見や感想を聞きながら、プログラムを組み立てていけたことも良い経験となりました。もし機会があれば、私たちの地域の児童館とも連携した活動をしたいです。

その他協力者の感想

サツマイモの苗植えと芋掘りのお手伝いをしましたが、何より活動している時の子どもたちの笑顔が印象的でした。また、サツマイモを育てることで生育の過程を知ることができ、調理することで方法を学べる為、とても良い活動だと思いました。子どもたちの成長する姿が見られるのは大変うれしいです。これからは家族ぐるみで関わってもらえれば地域の活性化にもつながると思いました。今後も子どもたちと一緒に試行錯誤しながら継続して取り組んでいきたいと思います。

児童館担当者の感想

はじめてのどんどこプロジェクトが新型コロナウイルスのため、計画の変更を余儀なくされたことは本当に残念でなりません。地域の人たちとの交流が目的だっただけに、新型コロナウイルスの出現はとても辛かったです。しかし、少人数でイベントをしたり、屋外での体験活動を行ったりと、小規模ながら参加した人たちは楽しんで交流ができ、地元の自然を感じてもらえたのではないかと思います。何より、皆の笑顔が印象的でした。

当初予定していなかったのですが、コロナ禍で暗くなった気持ちを少しでも明るくできたらと思い、児童館に絵を描くことを子どもたちに提案するとすぐに取り組んでくれました。図案も子どもが考えたのですが、今回のプログラムである「四季」をテーマに描いてくれたのは本当に感激でした。