香月児童館・小嶺児童館合同での3回目のプログラムは、「むかしむかしのカツキ&コミネをディープに知ろう」。今回の舞台は、長崎街道の宿場町・木屋瀬(こやのせ)。みんなが記者となり、地域の人にこの町の歴史を取材して、その情報を大きな新聞として編集するという流れで予定されていました。
始まる前、担当団体であるNPO法人「九州コミュニティ研究所」の奥村さん・中村さん・久保さんトリオ、そして学生のサポーターとして九州工業大学の澤野さんもお手伝い下さいました。また、このプロジェクトのパートナーである、日本NPOセンターの吉田さんも参加されました。
児童館の一室には、新聞用の大きな模造紙が貼られていました。コーナーの見出しには、”一里をゆく”、”写真でしりとり”、”家系図のおはなし”、”感じる木屋瀬”、”ぼくらの社会科見学”、”カンバンギャラリー”、”ぼくらのこやのせまっぷ”、”なるほどザこやのせ”という風に、それぞれに面白くデザインされたロゴが貼られていました。
香月児童館のお友だちを乗せたバスが到着し、香月・小嶺両児童館のお友だちが集まると、早速「おくさん」こと奥村さんによるオリエンテーションへ。取材の仕方や新聞づくりに関する説明がなされた後、グループ分けをしました。
グループ分けの時は、各見出しのテーマごとに、興味がある人に手を挙げてもらう形で決めましたが、毎回同様、グループごとのリーダーも決めました。
そしていよいよ、みんなでバス移動。児童館から15分ほど走り、木屋瀬の街道から一歩入った神社の集会所に入りました。今日はここが編集活動の本拠地です。
午前中、デジカメで撮影したものを、すぐに新聞の素材にできるよう、パソコンとプリンタを運び入れて、準備万端。好天の下、グループごとに木屋瀬の街中へ取材に繰り出しました。
神社から表の通りに出て行くと、白壁が立ち並んでいて、気分はすっかり「むかしむかし」モード。木屋瀬は、以前から、住民による宿場町としてのまちづくり活動が活発なところで、街中の雰囲気からも、地域の方々が町並みや歴史を大切にしている様子がうかがえます。
私が参加したグループのテーマは、古くからあるおうちの家系図を取材するというもの。4人のお友だちと、香月児童館の館長さんと私というメンバーで出かけました。下の写真の車は、その道すがら留められていたジープ。なんと戦後の米軍占領時から使われているもの。香月児童館の館長さんが教えてくれて、お友だちと「すごーい!」と歓声を上げました。
少し歩いた先に、梅本家という、木屋瀬でももっとも古い民家を構えるお宅につきました。格子戸がきれいで、一歩はいると、まさしく町屋らしい「ウナギの寝床」の造りで、とても大きな家であるだけに、土間の奥は見えないぐらいの奥行きでした。
梅本家は、ご先祖はさかのぼること500年前、庄屋として続いた家系で、その後、酒蔵業を経て、明治に入ってからは醤油醸造業をやっていたとのことで、家系図にまつわる膨大な資料とともにお話下さいました。取材に際しては、ご本人の写真のみならず、できるだけ家族の写真を撮ってくるようにと言われていたので、梅本さんの祖父母からお孫さんまで、スナップ写真を撮るなどしてデジカメに記録をしました。土間には大きな瓶(かめ)が置かれていて、聞けば備前から運んできた数少ない大型の瓶とか。梁(はり)も太く、しっかりとした造りの家屋でした。
昼食タイムが近づいていたので、梅本家からまた神社方面に戻り、梅本さんのご案内で、途中の資料館に立ち寄りました。ちょうど梅本家の所蔵品の展示がされていました。すてきな漆器や陶磁器なども多くありました。
昼食タイムでは、日本NPOセンターの吉田さんも加わり、みんなで食べました。お友だちは吉田さんとすっかり打ち解けて、お友だちから吉田さん顔負けのツッコミも入りつつ、楽しそうでした。
児童館の職員さんが、出来たてのきなこのお団子を用意してくれていて、おやつにみんなでいただきました。
お腹もいっぱいになったところで、いよいよ編集作業です。すべてのグループが、パソコンとプリンタ総動員で、九州コミュニティ研究所のお兄さんたちの協力も得ながら、撮影してきたデジカメの写真を印刷。こんなにたくさんのプリンタが一度に動いている風景を見たのは初めてでした。中には、パソコンを上手にあつかえるお友だちもいました。グループ毎に集まって、取材してきた情報をどう載せるか、話し合いながら制作作業を進めました。
机の上での作業ができがったグループから、壁にはられた模造紙に、自分たちが作った物を貼り合わせていきました。貼りながら、「あ、これ書いてなかった!」と書きもらしに気づいて、書き加えるお友だちもいました。早く終わったグループは、外で鬼ごっこをしていました。神社でのおにごっこは、何となく絵になりますね。
全グループの取材記事が出そろったところで、いよいよ発表タイム!グループごとに、とても細かに情報をひろっていて、聞いているだけで木屋瀬の全体像が分かる思いがしました。また、写真やイラストなどもふんだんに載せていたので、全体的に楽しい雰囲気にしあがっていました。
最後には、みんなで大きな紙の下に、自分の名前を書きました。この紙が、全体の4枚の最後のページになるそうで、後日、九州コミュニティ研究所の方が、全体を組み合わせて縮小した新聞を、みんなにプレゼントしていただけるそうです。楽しみですね!
そして、またバスで香月児童館経由で小嶺児童館に戻りました。香月のお友だちが帰る時は、みんなで車窓から「バイバーイ」と見送りしました。
木屋瀬のいろいろな人に出会い、「むかしむかし」をたくさん知ることができた一日でしたね。みんなで一緒にこの町を取材して作った新聞が、届けられる日を楽しみにしておきましょう!