仙台NPOのどんどこプロジェクト

内 容

2007年12月19日

第4回の準備です。

 「米どころ宮城」のお米にこだわり食育プログラムを展開してきた「ぱくぱくプロジェクト」の本領発揮のプログラムが今回の「新米の食べくらべをしよう」です。
 宮城県内と近県で収穫されたばかりの新米を10種類集めての食べくらべ,試食会です。
 宮城県からは,石巻市で収穫された宮城のお米の二大巨頭「ひとめぼれ」と「ササニシキ」,登米市で収穫された新顔の「ミルキークイーン」,色麻町で収穫された同じく新顔の「たきたて」,栗原市で収穫された同じく新顔の「まなむすめ」がエントリーです。
 岩手県からは,一関市で収穫された「陸羽132号」の登場です。このお米は,大正10年に作り出された品種で,宮沢賢治の稲作挿話「あすこの田はねえ」の中で,多収穫な米として栽培を奨励する話が出てくる伝説のお米です。
 秋田県からは,横手市で収穫された秋田の巨頭「あきたこまち」の登場です。
 山形県からは,鶴岡市で収穫された日本の巨頭「コシヒカリ」,東根市で収穫された「はえぬき」が登場です。
 さらに,宮城県名取市で収穫された「ひとめぼれ」に小学生が育てた古代黒米を1割混ぜ込んだスペシャル米も登場です。
 いずれのお米もNPO法人環境保全米ネットワークに参加している農業者が生産したものを,環境保全米ネットワークの高橋芳道さんが玄米で集め,同じ精米歩合にあわせてくれたベストな状態のお米ばかりです。
 これだけの種類のお米を集めるだけでも大変だったと思います。更に精米度合い,含水率の調整までして下さった高橋芳道さん,ありがとうございました。

  提供者   生産地     品種
1 佐藤光広 (秋田県横手市) あきたこまち
2 高橋芳道 (宮城県石巻市) ひとめぼれ
3 高橋芳道 (宮城県石巻市) ササニシキ
4 佐藤想司 (岩手県一関市) 陸羽132号
5 佐々木寿之(宮城県登米市) ミルキークイーン
6 五十嵐正谷(山形県鶴岡市) コシヒカリ
7 石山満  (山形県東根市) はえぬき
8 片倉玄  (宮城県色麻町) たきたて
9 鈴木繁彦 (宮城県栗原市) まなむすめ
10 三浦隆弘 (宮城県名取市) ひとめぼれ+古代黒米(名取市増田小学校3年生)

 さて,電気炊飯器の問題もクリアーしなければなりません。折角のお米を同じ条件で炊き上げなければ食べくらべになりません。
 同一仕様の電気炊飯器を10台そろえる必要があります。
 NPO法人せんだい・みやぎNPOセンターが運営しているサポート資源提供システムを活用し,インスパイアー・ザ・ネクストの(株)日立製作所東北支社にお願いし,電気炊飯器10台をNPO法人環境保全米ネットワークに寄贈できないか打診をし,みごとに獲得することが出来ました。ほぼ最新式の厚釜仕様の電気炊飯器,定価推定4万円×10台のビッグプレゼントによって,このプログラムの実施が可能になりました。このプレゼントによって,環境保全米ネットワークは県内各地でお米の食べくらべを実施していくそうです。米どころ宮城に大きなインフラを整備することも出来ました。

 

2007年11月15日

10月13日 第2回の本番です。「精進料理のマナーを学ぶ」

 小野崎和尚、突然のお葬式で参加できず。児童館の永浜館長と私は顔を見合わせ、目が見開いています。
 でも大丈夫。永浜館長は、実家がお寺で和尚さんになるための修行を終えています。もしもの時には、永浜館長がお精進の説法をすることになっていました。作務衣(さむえ)姿の館長に一同???

「実は、予定していた和尚さんが、突然のお葬式で来れません。そこで、実は、永浜館長は・・・」
参加者一同「えぇー」「そうだったんですか」
 永浜館長の説法の始まりです。本当は難しいのですが、子どもたちにも分かるようにお話ししています。さすがわ館長です。

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 食事は、素材の生産者、調理してくれた人、食事のためのお金を稼いできた人、自分の存在理由としての先祖、そして御仏(みほとけ)に感謝しながらいただくものであること。自分がこの食事を食べるに値する人間なのか、そんなことが書かれた「五観の偈(ごかんのげ)」の解説を受け、みんなで唱えました。

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 その他に、精進の食事のマナーとして、配膳、器の持ち方、箸の持ち方、食べ方、有名なタクアンでの食後の食器の掃除方法、片付け方などを学び、今日の食事で実践することにしました。
 さらに、嫌いなものでもちゃんと食べるのも精進のマナー、食育の基本です。合い言葉は、「お残しは、許しまへんでー」です。何故か、関西弁。和尚さんたちは、修行で関西方面に行きますからね。
 「ニンジン嫌いな人」誰もいません。「今日は、嫌いと言ったら、4倍来ますので、いいですね」

 お残しは、許されない。
 嫌いと言えない。
 子どもたちの表情は、真剣です。
 ただ、食事をするだけなのに。

 その間に、「仙台男子厨房に入ろう会」のメンバーによる精進料理の調理が進んでいます。「男子」と言っても「女子」もいます。皆さん、ご夫婦で活動をしているのです。

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 食事の前にこのプロジェクトに野菜類を提供している「朝市夕市ネットワーク」の三浦さんから、「生産者が販売まで行うことの意味」と題してお話しをいただきました。
 安全で安心な食材を消費者に届けたい。地産地消は、食の安全安心のみならず、運搬に掛かる燃料まで考えると地球環境にも優しいといった話しをいただきました。

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 いよいよ、食事です。今日のメニューはこんな感じです。
 高野豆腐の天ぷらもバッチリです。高野豆腐を戻し、しょうゆ、みりん、ショウガの付け汁に浸し、汁気を切ります。上新粉に山芋で粘りを加えた衣を付けて、油で揚げます。
 度々、上新粉が出てきますが、「みどりの森幼稚園」では、小麦粉を使わない給食に取り組んでいます。小麦粉アレルギーや小麦粉の安全性に疑問があるからだそうで、私たちも小麦粉を封印して、食事作りに取り組んでいます。これって、結構大変です。

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 自分の食事は自分で運びます。あらあら、茶碗をお椀が逆になっています。箸も変な人がいます。食事のマナーの一環として、正しい食器の配置も学びました。そして、メニューの説明です。高野豆腐の天ぷら。ニンジン、カボチャは蒸し煮にし、バットに並べてから、霧吹きで醤油をさっと振ったものです。お汁は、天然舞茸、ヒラタケに出汁の干し椎茸、昆布も刻み具にしています。さらに、打ち豆も入っています。
 今日のデザートは、サツマイモとムラサキイモの2色キントンです。ほんのりとした甘さに子どもたちも満足です。
 とにかく、食材の味を大切にし、余計な味付けは行わないのが精進料理の調理の基本です。

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 それでは、いただきます。とは、ならないのがお精進です。「五観の偈」をもう一度唱え、そして、いただきますです。
 例によって、「美味しい」の嵐です。ニンジン嫌いな子も絶対にいるはずなのに、誰も、お残しをせず、ちゃんと食べ上げています。

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 スタッフも、美味しくいただきました。

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 食器の片付けも1人1人で行います。茶碗に番茶をもらい,残しておいたタクアンで食器のお掃除をしてから、下げ膳をします。

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 今日の最後は、切り干し大根づくりです。精進料理の調理を担当した「仙台男子厨房に入ろう会」のメンバーの指導で、大根切りの作業です。
 次回の「郷土料理を味わい」で使い食材づくりに挑戦です。軸切り、櫛切り、輪切り、いろいろに大根が刻まれていきます。昔は、ばあちゃんが大根を刻んで干していたものです。今の子どもたちにとっては、食べたことあるけど、つくることが可能な対象ではなかったようです。

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 終わり間際に、お葬式を終えた小野崎和尚が到着です。改めて、お精進のお話しをいただきました。短目に。

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 記念撮影の合い言葉は、カメラマンが「お残しは」、参加者全員で「許しまへんで」という、ちょった代わった記念写真になりました。

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 児童館の前庭に切り干し大根を広げて、今日の「ぱくぱく」は終了です。

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 本当に、美味しい経験でした。次回は,この切り干し大根で郷土料理のプログラムを行います。さらに、子どもたちには仰天の食育企画も!!

第2回の準備です。

 スタッフが加美町小野田の漕洞宗のお寺「生来院」の小野崎和尚を訪問し、精進のマナーと精進料理のメニューについての打ち合わせです。
 本番では小野崎和尚からの精進の説法を参加者にしてもらう予定です。
 メニューは、メインが肉もどきの高野豆腐の天ぷら、ニンジン、カボチャの煮物に決定です。キノコのお汁とタクアン漬けが付き、炊きたての新米というメニューです。
 出汁は、魚介系の鰹節は使えません。昆布、干し椎茸に加え、打ち豆を使うことにしました。
 打ち豆は、大豆を蒸かし、小槌で打ち、平たくした食材です。東北地方の日本海側の食材ですが、大豆出汁として使われています。しかし、太平洋側の仙台では、使いません。手に入るのでしょうか?

 さて、高野豆腐の天ぷらも難題です。今回の調理系NPOは、「仙台男子厨房に入ろう会」が担当してくれます。レシピを伝え、試作の開始です。私も、2回の試作を重ね、試食、修正を重ねました(酒の当てづくりを兼ねて)。

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9月29日 第1回の本番です。「竹筒でご飯を炊く」

 通町児童館の食育プログラム「ぱくぱくプロジェクト」の第1回は「竹筒でご飯を炊く」です。
 児童館には、調理室も園庭もないので、道路向いの「みどりの森幼稚園」を会場に各回のプログラムを展開していきます。
 幼稚園の園庭に今回のプロジェクトのために仙台市役所から提供してもらったU字側溝を8本並べて、ご飯を炊く窯の準備です。この幼稚園は自由教育を旨としており、園庭はデコボコだらけです。スタッフは園庭の整地作業から取りかかり、U字側溝を水平に設置していきます。
 竹筒を水洗いし、U字側溝に薪や炭の燃料をセットし参加者の集合を待ちます。

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 一方で,調理室では「賢和会・男の台所・和(やわらぎ)クラブ」のメンバーが芋煮汁の調理に取りかかっています。今日は,スペシャルなデザートもつくるそうです。楽しみですね。

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 参加者が集まってきました。親子で約30名の参加者とスタッフが約20名、総勢50名での「ぱくぱくプロジェクト」の開始です。
 始まりのガイダンスのあとで、竹筒の釜に「賢和会・男の台所・和クラブ」のメンバーが洗米したくれた、お米を詰めて、U字側溝にセットし、火入れをしました。

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 ここからは、「竹焚け隊」の皆さんに火の番をお願いし、参加者は「竹切り隊」に出発です。
 「竹切り隊」は、歩いて20分程の臨済宗のお寺「満勝寺」に出向き、芋煮汁をよそおうための竹のカップを創りに、お出掛けです。
 竹筒の釜づくりには時間が掛かり過ぎるし、蓋を創るのにテクニックを要するので事前に創ることにしましたが、どうしても子どもたちに竹を切らせたかったのです。
 「仙台市民の森を創る会」は、里山保全などに取り組んでいる団体ですが、街の中の緑の保全にも関心を持っています。お寺さんの竹林を題材に、緑の保全と食育の話しをして貰いました。
 美味しい竹の子を頂くためには、適度に竹を間引きしていくことが必要です。里山の保全も同じです。そんな話しをしてもらい、いよいよ竹林に分け入り、竹切りの開始です。子どもたちもノコギリを手に、竹切りに挑戦です。全員が初体験です、竹林の中に一列になって順番を待っています。

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 切り出したばかりの竹を一節ごとに切り分け、MYカップづくりが始まりました。時間が掛かってもいいんです。自分で造ることが大切なんです。

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 MYカップを持って、幼稚園に帰還です。往復で1時間近く歩き、竹も切り、「竹切り隊」のみんなは腹ぺこです。
 「竹焚け隊」のみんなは、全身薫製状態で、50本の竹筒のご飯を見事に炊きあげていました。「竹焚け隊」のみんな、ご苦労様でした。
 竹筒の蓋を開けると、竹の良い香りが立ち込めます。この香りの移ったご飯は、さぞかし美味しいでしょう。

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 さあ、食育は食べなくては始まりません。竹筒の外側が炭化していますので、新聞紙にくるんだ竹筒の窯がそのまま今度は、お茶碗に変身です。1人1本のお茶碗を受け取り、次はMYカップを洗い、「賢和会・男の台所・和クラブ」のみなさんが作った芋煮汁をよそおって貰います。家族単位で、グループ単位で、めいめいに園庭に陣取り、楽しい昼食の時間です。スタッフも、おなかがペコペコです。みんな、美味しいの連発です。

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 今日の昼食は、こんな感じです。竹筒の蓋を開けると、竹のえにも言われぬ香りが立ち上がります。新米を使っています。何と贅沢な。何ともったいないことを、私たちはしているのでしょう。

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 食材を紹介しましょう。
 お米は、「NPO法人環境保全米ネットワーク」の黒澤さんが育てた、新米の「ひとめぼれ」です。前々日に精米したものが、宅急便で前日に届きました。
 野菜類は、「朝市夕市ネットワーク」に参加している角田市と蔵王町のメンバーが育てたものです。芋煮汁のメインは里芋です。さらに、ニンジン、ハクサイ、ネギ、野菜類は生産者からの直送です。マイタケ、ハタケシメジのキノコ類は、加美町小野田の土産館(どさんかん)で調達しました。味噌も小野田のばあちゃんの手作り味噌を使っています。食材は、可能な限り生産者に近いところから調達してきました。
 肉は、なかなか難しいので、みやぎ生協で買ってきました。
 
 みんな、ぱくぱくです。芋煮汁のおかわりOK。ちなみに私は、3杯いただきました。

 食後のデザートは、お団子です。昨日は、お月見でしたので、里芋を裏ごしし、上新粉と混ぜて茹でたツルンとした団子にみたらし餡が掛かっています。一口いただくと、中から栗が出てきました。こんな贅沢な食育をしていいのでしょうか。

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 みんな大満足で、終わりの会です。
 食材提供NPO、調理系NPO、環境保全系NPOの連携によって、第1回のプログラムが運営され、さらに会場提供の幼稚園、お寺さん、仙台市役所さんなどの協力があったことを参加者に説明し、今日の「ぱくぱく」は終了でした。

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第1回の準備です。

 ご飯を竹で炊いたことがありません。しかも、本番では50人分のご飯を竹筒で炊かなければなりません。事前のシミレーションが重要です。
 竹は、縦使いがいいのか、横使いがいいのか、炊きあがりに要する時間は、蒸らしの時間は、燃料の量は?
 2回に渡る実験により、竹は横使いで竹の蓋付きが燃費効率が良く、薪も最小で済む。沸騰までの20分、炊きあがりまでに40分、蒸らしで更に20分を要し、所要時間は1時間と判明しました。
竹の一節で、1合のお米を焚くのがちょうど良いということで、竹筒の釜は50本必要であることも判明しました。
 さあ、竹筒の釜の準備をどうするのか?本番の時間では制作が間に合いません。「仙台市民の森を創る会」の角田さんから、事前に制作しておくとの申し出を頂きました。仙台市の泉墓園の入り口部分の竹林の整備で出る竹を使って竹筒の釜50本を当日に持ち込んでくれることになりました。

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 実験で炊きあがったお米に、みどりの森幼稚園の子どもたちが群がってきます。これは,私たちのお昼だって言うのに,どんどん奪われていきます。
 やっぱり、美味しいものは、子どもでも分かるんですね。

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