実施日 2010年11月10日(水)午前11時-12時20分
会 場 京都市深草児童館・遊戯室
参加者 NPO(講師) 2人 NPOセンター 1人
保護者 32人 乳幼児 33人
児童館職員 5人 アルバイト職員 2人
講 師 NPO法人子育て支援コミュニティおふぃすパワーアップ
代表 丸橋 泰子 氏
堀内 仁美 氏
2回目の協働事業
京都市深草児童館では,10月に地元のNPO法人「竹と緑」といっしょになっての「ものづくり教室・竹の貯金箱づくり」を行いました。子どものための児童館とNPOの協働事業の第2弾は,乳幼児のお母さんを対象にした食育講座をすることにしました。
日頃の乳幼児クラブで,子どもの食事のことでの不安や悩みがお母さんたちから職員に出されていましたが,なかなか適切にアドバイスすることが出来ないでいました。
そこで,食育の専門家を招いて食育講座をしようとなったものです。
アンケートの実施
お母さんたちの「食」に対する疑問や悩み等をより多く聞かせてもらうために,食育講座の1ヶ月前からアンケートを行いました。アンケートには多くのお母さんから,「同じものしか食べない」「最近特に食べなくなりほとほと困っています」など,子どもの食育についての悩みや質問が出されました。
乳幼児連れのお母さんで児童館が満員に
食育講座当日は,お母さんと乳幼児さんで,児童館は満員に。特に,お母さんがお話を聞く間の託児室は乳幼児さんでいっぱい。眠る子や泣き止まない子もいましたが,はじめての子と仲良く遊ぶ子も。
お母さんの笑顔で楽しい食卓を
いよいよ講座の始まり。はじめに,おふぃすパワーアップ代表の丸橋泰子さんから,おふぃすパワーアップの活動内容や出版物紹介に続いて,孤独な食事,食事抜き,家族別々の献立など,「食」をめぐる状況についての説明の後,「お母さんが主役,お母さんが笑顔だと,
子どもさんも幸せ」と楽しい食卓を心掛けることと,その中でのお母さんの役割を話され,来場のお母さんたちを激励されました。
体の原材料、栄養のことそしてだいじなウンチ
続いて堀内仁美さんから食育の基本からのお話がありました。人間は「食べる」ことで,それだけ大きくなります。「いただきます」は肉や魚だけでなく野菜も含めて,尊い命をいただくことへの感謝の気持ちを表し,「ごちそうさま」は,料理を作ってもらった人への感謝の気持ちです。
「人」を「良」くすると書いて「食」という字になる,養生には「食」の字が含まれているように,食べることは命の土台・根底を作ることです。あまりにもモノがありすぎる時代だから,どれを食べてよいか迷いますが,たいせつなのは,親子で食を選ぶ力(選食力)をつけることです。
この後,人間の体の原材料や5大栄養素の話をされ,バランスのよい食事を心掛けることが必要で,そのうえからも日本の昔から伝統的に食べられているもののよさを説明されました。
また,「食べたら出す」というあたりまえのことですが,だいじなウンチの話もされ,子どもさんのウンチの臭い・形・色などよく観察して健康管理に役立てるようアドバイスがありました。
講演の最後に,食をたいせつにすることは,それを食べる人の命をたいせつにすることであり,言葉の通じない小さな子どもでも,食をたいせつにすることで,愛されていることを感じるのです,と心に響くメッセージで締めくくられました。
うちの子だいじょうぶ
講演の後,事前アンケートで出された食育に関する疑問や質問に対して,講師から回答がありました。アンケートでの質問を更に突っ込んで聞きたいことや,関連することなど,おかあさんからは次々と手が上がっての追加質問。これにも,講師から丁寧なお答えをいただきました。
本物を味わおう
この日の食育講座のラストは,本物の出汁を味わってもらおう,と昆布と鰹節でつくった出汁を参加者一同味わいました。昆布と鰹節でつくったといっても,料理屋さんのように本格的なものではなく,簡単にできるもので,手軽に本物の味をつくるきっかけとなったのではないでしょうか。